No.76 介護業界・今後の展望について
高齢者が増加している現在の日本において、2025年問題で更に人材不足が深刻化を増すことが懸念されている介護業界ですが、その反面明るい話題もあります。そのような様々な問題と今後の介護業界の展望についてまとめてみました。
介護業界と人材不足
2017年の時点で介護業界では、介護士が約12万人不足しています。このままの推計でいくと2025年には約37万人の介護士が不足すると危惧されています。
「人材不足」には様々な要因があると言われています。その一つとして「少子高齢化」と「人口減少」による問題があります。日本の人口は、2008年をピークに減少に転じました。それに比例して労働力人口も減少の一途を辿っています。
また、厚生労働省の試算では2025年には、75歳以上の団塊の世代1947年~1949年に生まれた団塊の世代の人たちが日本の総人口の18%を占めます。
2025年には、その団塊の世代の人たちが65歳以上の高齢者と合わせて総人口の30%を超えることになります。これは、日本の総人口の約3人に1人が高齢者となることです。
一方で働き手の介護士(15歳~64歳の労働人口)は、「少子」のため年々減っていくことになります。これが「少子高齢化」の大きな問題となっています。
介護難民問題
2016年の厚生労働省が発表になりますが、施設入所等への入所者待機者数は(約36万6000人)と入所希望者に対して、介護施設などが圧倒的に不足している現状があります。施設不足は年々増加していくため、在宅介護を余技なくされている現状があります。
人材不足に対しての国の対策
○再就職準備金貸付金制度
○就学資金貸付制度
○入管法を改正して外国労働者の受け入れの緩和
○見守りロボットの補助金助成
また大きな処遇改善策として、今年10月から消費税増税分の使い道として勤続年数10年以上の優秀な介護福祉士に月額平均8万円相当の給料への上乗せを行うため、公費から「約1,000万」が投じられます。
介護業界の今後の展望について
今後、AIの進化に伴いほとんどの業界での仕事がAIにとって変わるであろうと言われていますが、介護業界においては、一部ロボット化が可能ですが、介護の仕事のほとんどは、人間でないと出来ないことや判断力が求められる仕事ですので、AIには難しいことだと言われています。
また、今後の成長分野としてIT産業や人材派遣業などと共に介護業界は成長が見込まれる産業だとも言われています。2025年には、20兆円の市場規模に拡大することが見込まれている有望な業界と予想されています。
- ■まとめ
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介護業界の問題と展望について見てきましたが、今後、介護業界が発展していくためには、様々な課題をクリアしていかないといけません。今後も国が更なる施策を講じていくことで、介護業界は明るい展望が予想され、ますます成長していく業界と言えるでしょう。