No.53 介護支援専門員は介護サービスの橋渡し役
介護支援専門員は、2000年の介護保険制度の施行と同時に誕生した資格です。介護保険制度においては、サービス利用者のケアマネジメントを行う専門職で、一般的な呼称は「ケアマネージャー」と呼ばれています。
今回は、介護事業所での介護支援専門員の役割や仕事の内容について考察していきましょう。
介護支援専門員とは?
介護支援専門員は、介護サービスを利用したい要支援者や要介護者本人、家族などの相談を聞いて、その意向や心身の状態なども加味しながら、市区町村や介護保険事業所などと連携をとり、介護サービス利用の調整というとても大事な役割を行います。
◎介護支援専門員の配置が義務づけられている場所
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護老人保健施設(特養)
- 在宅サービスの居宅介護支援事業所
- 地域密着型サービスの認知症対応型生活介護(グループホーム)
- 小規模多機能型居宅介護など
- 有料老人ホーム
介護支援専門員の仕事の内容
①利用者本人や家族からの相談
利用者本人からの要望や家族からも相談などを聞いて、介護サービスにつなげていきます。もし、利用者本人と意思の疎通がとれない場合は、家族の意向を聞いて本人にあった介護サービスを選択するとよいでしょう。
②ケアプラン作成
利用者本人の心身の状態や、現在何が問題なのか課題を分析して、本人の意向や家族の意見を聞いて、施設サービスや在宅サービスを選ぶことが大切です。あくまでも、主体は利用者本人ですので、それに沿ったケアプランを作成することが重要です。
③モニタリング
ケアプランを作成し介護サービスの開始後、定期的に利用者本人の心身の状況やサービスに沿った目標やケアプランなのか、また見直しはないかなど評価します。
④給付管理
利用者が、介護サービスを利用する際に支給限度額を超えないように、また利用者負担額(所得に応じて1割〜3割)の計算や確認を行います。
- ■まとめ
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介護支援専門の役割や業務の内容について解説してきましたが、施設サービス利用者や在宅サービス利用者にとって、介護支援専門員の果たす役割はとても重要であることがお分かりになったことでしょう。介護支援専門員はその専門性を活かし、時には医療機関などとも連絡調整を行うこともあり、幅広い知識と経験が求められます。
一番大切なことは、介護サービス利用者の気持ちになって生きがいをもって生活できるようにサポートすることが必要になります。自立支援も含めたサービスを取り入れ、ケアプランを作成していけるかが、介護支援専門員の手腕にかかっています。