No.39 介護職員と利用者の信頼関係の築き方とは?
日本の超高齢化は、どんどん進行を続けて世界でも類を見ないスピードで、年々高齢者数も増加の一途をたどっています。要介護者が増えることで認知症の患者数も、増えてきている現状であり、要介護者は施設での介護や自宅での介護と形態は様々です。
今回は、施設に入所している利用者と介護職員との信頼の構築について考えてみたいと思います。
介護で利用者との信頼関係は重要
介護施設に限らず、一般社会や企業でも同僚や上司・取引先のクライアントとの信頼関係づくりは、とても大切です。
では、介護施設では、どのようにして利用者と介護職員は信頼関係を築いていけばいいのでしょうか。
利用者を尊重しよう
利用者は、高齢であっても認知症であっても、年齢も介護職員よりも何倍もの大先輩です。介助や話をするときにも尊厳の気持ちを持って、「お世話させていただく」という態度と心構えで接することが重要です。
いろいろな介助中でも、こちらだけ一方的に話すのではなく利用者の話も良く聞くことが大切です。例えば、「今日は体調がわるかったり」「気分がすぐれなかったり」することを、訴えているときもあります。
また、利用者と話をするときは、できるだけ同じ高さの目線かまたは、それより少し低い姿勢で話すのが基本です。車椅子やベッド上の利用者に対して、立ったままで声掛けすることは、他者から見ても上から目線で話していると思われがちですので、気を付けた方がよいでしょう。
利用者を良く観察しよう
利用者を良く観察しているとその方が、どんな人なのかを知ることができます。介護職員との会話ではその方が受け身になっていないかを見て、利用者が自発的に話をするようになれば理想的です。
認知症の利用者には、会話が余りできないことが多くコミュニケーションが取りづらいことがあります。相手の表情や態度・しぐさなどを観察して「喜んでいるのか」「不快に感じているのか」などを見極めて判断しましょう。
利用者の興味を知ろう
利用者と話をする際に、何に興味があり何が好きなのかを会話の中からみつけることが大切です。例えば、出身地・趣味・職業歴・好きな歌などの話題にすることで、「この介護職員とは話が合う」と親近感が出てくることは大切で、信頼も得やすいということです。
利用者の気持ちや気分に合わせよう
利用者の感情や気分は日々変わることが多く、昨日は笑って楽しい顔をしていたのに、今日は「悲しい顔をして落ち込んでいる」といった風に感情には変化があるものです。
介護職員は、その日の相手の表情や態度などから利用者の状態を感じ取り、相手に合わせた会話をすることが大切なのです。
- ■まとめ
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新人介護職員にとっては利用者との信頼づくりは、とても難しいと思っている方も多いと思いますが、利用者に尊厳を持って相手の気持ちを考えて親身になって接することで、自然と信頼関係は出てきます。
一度信頼関係ができると、心を開いていろいろな話をしてくれるものです。しっかり傾聴することで学ぶことがたくさんあります。