No.38 介護職に求められる患者家族との関係
仕事や家庭との両立でもハードな面が表立ってくる介護職ですが、その業界で働いていて良かったと感じる時も多くあるものです。
その中でも、患者家族の方からいただくねぎらいの言葉は大きなものですが、そこには介護職をやっていく上で課題となることもあります。今回は、介護職をする側と患者の家族との関係に関してみていきましょう。
コミュニケーション能力の向上
患者さんに対しての、あいさつや状態を伝える会話などは積極的にできていても、ご家族に対しても話しやすい環境を作ってあげることができていないと、お互いの信頼関係を築くことはできません。
介護のプロとして信頼していただけるためにも、ご家族がいない間の患者さんの状況報告を簡潔に伝えましょう。内容は食事の様子であったり、夜の睡眠状態など、自分が家族であれば聞いておきたい様子などを伝えてあげることで、ご家族も安心できるはずです。
コミュニケーション能力を上げるには、特に聞き上手になることです。聞き上手になるには「相槌」を打ったりしながらご家族の方の話をきちんと聞いているという表現も必要です。
特にマスクを着用している場合には、口元が隠れてしまいますので、うなずいたりすることも必要でしょう。
また、時にはお仕事をされていると、理解しがたい行動を取る患者さんのご家族もいらっしゃいますので、そのご家族を否定したりせず、ありのまま受け止めてあげ、提案をすることも大切になります。
トラブルの多くは説明不足
介護職員は多くの患者を対応することになるのですが、ご家族の方からすると1対1の関係であるということで考えています。そのような中で職員からすると「これくらいのこと」と思うことが、ご家族からすると「重要なこと」であることもあります。
小さなことを報告するかどうかという事は、ご家族の状況や性格などにもよりますが、コミュニケーションを取っているうちに、その傾向も見えてきますので、傾向に見合った報告方法を職員で統一し、密に連絡をとるご家族には特に気をつけて状況報告を行うよう心がけることが大切です。
説明不足によりトラブルが起こる前に、家族側の立場に立った安心感を得られるような環境を作り、信頼関係を構築することで、お互いに要望や不満を言いやすい関係が作れれば、説明不足という状況は避けられトラブルは軽減することでしょう。
- ■まとめ
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ご家族との関係で信頼を得るには、介護そのものの技術はもちろん重要ですが、コミュニケーションのスキルも磨いていくしかありません。相手の心を気遣うだけでなく、不要なトラブルを避けるためにも、ご家族との会話が重要となります。