No.36 介護ストレスとは? ~その対策と解消方法を考える~
超高齢化の日本において、自宅(在宅)で親の介護、または、老老介護をしている人は、どの様なストレスを感じているのでしょうか。介護の対策とストレスの解消方法について解説しましょう。
家族が感じる介護のストレスとは?
家族にとっては、介護をしていて感じるストレスを考えた場合には、金銭的・時間的・肉体的・精神的などがあげられます。
- ◎金銭的ストレス
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介護には、とにかくお金が掛かるものです。介護保険サービスを利用していても、負担額は基本的に1割ですが、個人や世帯の所得に応じて3割負担もあります。その他にも介護保険サービス費に含まれない、オムツや日常生活品購入などにかかった費用は自己負担となります。
また、親と別居していて通いながらの介護にかかる交通費も含んだ場合ですと、なおさらでしょう。また、介護をするために離職せざるを得なかった時も、介護者の所得が減りますので、金銭的な不安と負担を強いられるものです。
- ◎時間的ストレス
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介護度が低い内は、少しの介助でいいのですが、年々年をとっていくことで介護度も上がっていくことが考えられます。
もしも、寝たきりになり一日中ベッドで過ごすことになった場合は、食事介助等や定期的なオムツ交換・体位変換も必要になってきます。それは、24時間、昼夜を問わずに行わなければいけません。特に夜間の介助は、介護者にとってとても大きな負担となります。
- ◎肉体的ストレス
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寝たきり状態の介護は、とても体力が必要です。オムツ交換や体位変換の際、介護される本人が自分で寝返りや体を動かすことが可能ならいいのですが、それができない状態の介助でしたら、介護者にかかる肉体的負担は大きくなります。
- ◎精神的ストレス
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介護をしていて年月が長くなればなるほど、精神的ストレスやプレッシャーは大きくなってきます。「いつまで続くか分からない介護」で、介護疲れからくる「介護うつ」になる方も少なくありません。介護をしなければいけないという責任感などから、外出が少なくなり自宅に閉じこもりがちになり、自分の時間がもてずに介護する毎日に、どんどん疲弊していきます。
ストレス対策や解消方法を考える
- 老老介護の場合は、とても深刻です。共倒れの可能性さえあります。
長い日々の介護には限界がありますので、一人で抱えこまずに家族全員で介護負担するように相談することも大切です。 - 協力してくれる家族などがいない場合は、地域の民生委員や社会福祉協会の地域資源を活用して相談などを行い、日頃の不安や不満・愚痴などを話すことでストレスを溜めないようにしましょう。
- 在宅での介護に限界を感じたら、各市町村の窓口で要介護認定の申請を行い、介護保険サービスを利用しましょう。
- ■まとめ
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在宅での介護は一人の問題と考えずに家族みんなが協力することで、介護負担が軽減されてストレス解消に繋がります。もし、自宅での介護が難しいと感じたら、積極的に介護保険サービスの利用を考えることが、介護ストレス対策にとって重要となります。