No.21 介護現場の無資格から、国家資格の介護福祉士を目指そう
介護の仕事をしていて無資格からでも介護福祉士の国家資格を取得するには、どのようにしたら良いのかなんている方もいるはずです。今回は、介護福祉士の国家資格を取得するための方法について紹介します。
介護福祉士の歴史
1987年に介護保福祉士法により制定され「名称独占」の国家資格が介護福祉士です。介護の仕事は、資格を持たない介護士でも業務は可能なのですが、昨今は介護の分野において高い専門性がある介護福祉士が求められています。
介護福祉士は、介護知識や介護技術を持っている介護のスペシャリストです。高齢者や障害者の食事・入浴・排泄その他の身体介護や生活援助のほか、利用者や家族などの介護についての悩みや技術指導・アドバイスを行う専門性の高い職業といえるでしょう。
無資格から介護福祉士を目指すステップ
無資格から介護福祉士の受験資格を得るためには、下記の「初任者研修」「実務者研修の所定時間」の受講が必要になってきます。
- 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
130時間の研修受講が必要です。 - 介護職員実務者研修(旧ホームヘルパー1級)
320時間の研修受講時間が必要です。
・初任者研修を受講しないで実務者研修から受講する場合は450時間の受講で取得が可能です。
※喀痰吸引等研修を受講する場合は50時間の実地研修が必要(任意)です。
国家資格が受験できるルート
◎福祉系高校からの受験
2008年度以前までは、福祉系高校を卒業した後に筆記試験に合格すれば、介護福祉士の資格取得が可能でした。
しかし、制度改定により2009年度からは「介護技術実習の受講」し卒業した後に、介護施設などで9か月の実務経験を積み、さらに筆記試験に合格することで実技試験免除=「国家試験が取得」が可能となっています。
◎介護福祉士専門学校やその他の福祉系大学からの受験
2017年度からは社会福祉士専門学校・保育士専門学校・福祉系大学を卒業し、介護福祉士専門学校で1年間通うことで、実技試験が免除となり介護福祉士の受験資格が得られるようになりました。
また介護福祉士専門学校(2年)の卒業生も実技試験免除で筆記試験に合格することで国家資格が取得できます。
◎養成施設を卒業して「介護福祉士への道」
今までは、介護福祉士養成施設(入学資格は高等学校卒業以上)に通うことで、介護福祉士の資格が取得できることが可能でした。
しかし、2018年1月実施試験からは養成施設を卒業した後に介護福祉士の試験を受験して資格取得を目指すルートへ変更となりました。
ただし、2017年~21年度(2017年4月1日~2022年3月31日まで)の卒業生に限り「経過措置」が設けられています。つまり、登録申請をすれば、卒業後5年間は介護福祉士資格取得者と見なされるということです。
経過措置を継続し「介護福祉士の資格」を有効にしていくためには下記の条件があり、満たさなければ「資格取得(登録)」が無効となりますので注意が必要です。
- 卒業後5年間のうち、介護福祉士の試験(筆記試験)を受験して合格する
- 卒業後5年間続けて、介護などの業務を行う
(従業期間が連続して1,825日以上かつ従業日数が900日以上)
従業期間とは、実務経験の対象となる施設や事業所などに在職した期間のことをいい、従事日数とは、実際に介護の仕事に従事した日数をいいます。
- ■まとめ
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介護福祉士の国家資格を取得する方法について解説しました。もし、働きながら資格を目指すのであれば、介護現場での知識や経験が活かされてきます。
介護福祉士の資格は一生使える資格ですし、施設によっては資格手当や処遇改善手当などがつき給料アップにつながります。自分のスキルアップとキャリアアップのためにぜひ、介護福祉士を目指してみてはいかがでしょうか。