No.19 在宅介護において介護保険が利用できる外出支援サービス
施設介護・在宅介護と要介護者にとって利用する介護保険のサービスは様々ですが、特に在宅かつ寝たきり等で外出が困難な方を介護されている家族には、病院受診などへの交通手段として、介護保険タクシーを利用することが多いと思います。
在宅介護で一定の条件を満たせば介護保険でのサービス費が適用されることがあります。では、どのような条件でサービス費が利用できるのか解説してみましょう。
介護の現場で利用できるタクシーは2種類ある
①介護保険タクシー
介護保険で利用可能なタクシーで、在宅介護者向けとして利用しやすいサービス。
基本的には利用できる用途が限られて、利用するまでには一定の手続きがいるものの、利用料金は介護保険適応対象となるため、低料金で利用できる。
②介護タクシー
主に介護施設で介護サービスを受けている方向けのサービス。
介護保険適応対象外サービスであるため、料金的には割高になるものの、利用に対する条件はないため、普通のタクシー感覚で利用することが可能。
このように介護と名の付くタクシーでも、2種類のサービスに分かれることは押さえておきましょう。
以下からは在宅介護者向けとなる介護支援タクシーに的を絞って解説していきます。
介護保険タクシーは介護の資格が必要
介護保険タクシーが行う外出支援を介護保険法では「通院等乗降介助」といい、運転手は介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)以上の資格保有者でなければいけません。
例えば病院受診の際、介護保険タクシーの運転手は以下の介助業務をすることができます。
◎要介護者の自宅や施設にて利用者の健康状態を確認し容整(着替えや身だしなみ)
◎自宅でベッドから車椅子までの移乗・移動・介護タクシーへの移乗。
◎病院では、車からの車椅子への移乗介助や移動介助などができます。
介護保険を利用するための理由
◎病院受診やリハビリのための通院
◎日用品の買い物
◎選挙の投票
◎市町村役所や公的機関での手続き
◎金融機関への手続き
◎通所介護(デイサービス)などの介護保険施設の見学
※上記の理由以外で介護タクシーを利用すると介護保険サービス費が適用されません。
介護保険で利用できる外出支援サービスの対象者と基準
◎要介護1以上の認定を受けている方。
◎身体機能や認知機能の低下により公共交通機関の利用が困難な方=要介護者
◎担当ケアマネが日常の生活で買い物や通院などを必要と判断し、ケアプランに組み込んだ場合にのみ介護保険サービスの利用が可能で、自己負担分は所得に応じて1割から3割負担となります。
介護保険サービスが利用できない場合は各自治体の外出支援サービスを活用する
施設や在宅以外の介護サービスを利用している要支援認定者の場合、介護保険のサービスを利用できず全額、自己負担となります。
そのような場合は公共機関が行っている外出支援サービスを利用すると良いでしょう。
◎利用に関しての条件
・家族などの付き添いが必要
・住民税非課税世帯
・要支援・要介護者
各自治体でも利用規定などが異なりますが、ほとんど無料で行っていることが多く、利用をお考えでしたら住んでいる市町村や社会福祉協議会などに、詳細をお問合せして確認した方がよいでしょう。
- ■まとめ
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外出が困難な要介護者は、通院が多いと付き添う家族にとっても時間を割かれて大変な負担となります、在宅で介護をしていると尚さらのことでしょう。その場合、介護保険が適用する介護保険タクシーを利用することで家族にとっては金銭面・精神面・体力面などの負担軽減にもなります。
また、たまには、通院以外でも気分転換を図るための外出(介護保険適用外で実費となる)などの場合は、介護タクシーを利用するのもよいと思います。介護の資格を持った運転手が介助を手伝ってもらえますので家族も安心して利用できます。