No.162 介護福祉士とケアマネージャーの違い
介護の分野では様々な職種が存在し、たくさんの人が介護従事者として日々勤しんでいます。その中でも介護福祉士とケアマネージャーは同じ業務だと勘違いされる事があります。混同しやすい2つの職業についてそれぞれの概要を中心に、2つの違いについて解説します。
介護福祉士とは
介護福祉士とは介護業界で唯一の国家資格です。利用者の身体介助や生活援助が主な業務内容となっており、現場では職員指導などのリーダー的な役割を担う事があります。別名をケアワーカーと呼ばれており、介護のスペシャリストとして重要な位置付けにいます。
- ◎介護福祉士取得の目安
- 国家資格の中でも難易度はそれほど高くないとされています。勉強時間は250時間程あれば合格できるとされ、合格率は毎年60%程で推移しています。介護福祉士になると給与手当てを受ける事ができ、介護の専門家として指導・助言などを行う事ができます。
ケアマネージャーとは
ケアマネージャーは別名「介護支援専門員」と呼ばれており、現場では「ケアマネ」の愛称で知られています。主な業務内容として、介護が必要な方のケアプラン作成や介護事業者と利用者の調整を行います。介護保険のスペシャリストとして介護業界を支えています。
これらの業務以外にも生活保護の申請援助、配食サービスの紹介なども業務の一環として行っています。場合によっては家族と利用者の仲介に入る事もあります。ケアマネージャーは幅広い範囲で利用者の支援援助を行い、高齢者の生活改善を支援します。
- ◎ケアマネージャーになるには
- ケアマネージャーになるには医師・介護福祉士などの該当資格を所有している必要があり、実務経験が5年以上必要となります。実務経験5年以上の条件として、当該業務に合計900日以上従事している必要があります。試験前日までを計算に含める事ができます。
- ケアマネージャーは平均合格率が10~20%となっており、介護福祉士の60%と比べると難易度は跳ね上がります。各分野での正答率は70%程とされており、偏った知識では合格できないようになっています。実務経験も含めて簡単には取得できない資格となっています。
◎該当資格
- ●介護福祉士
- ●医師
- ●薬剤医師
- ●歯科医師
- ●助産師
- ●保健師
- ●看護師
- ●准看護師
- ●作業療法士
- ●理学療法士
- ●社会福祉士
- ●視能訓練士
- ●義肢装具士
- ●言語聴覚士
- ●歯科衛生士
- ●あん摩マッサージ指圧師
- ●きゅう師
- ●鍼師
- ●柔道整復師
- ●管理栄養士
- ●栄養士
- ●精神保健福祉士
介護福祉士とケアマネージャーの違い
2つの職業の違いとして、介護を実際に行う人と総合的な管理を行う人です。介護福祉士は直接介護や介助を行い、ケアマネージャーはケアプラン作成や様々な職種との連携を行います。このためケアマネージャーは介護福祉士の上位資格とされています。
キャリアアップとして介護福祉士がケアマネージャーを目指す事があります。厚生労働省の平成26年の発表によると、ケアマネージャーの方が介護福祉士よりも給料が4万円高い結果が出ています。またケアマネージャーは介護職全般と関わりを持つため、現場での経験を活かすために介護福祉士が資格取得に励んでいます。
- ■まとめ
- 同じ業務内容と勘違いされやすい介護福祉士とケアマネージャーですが、紐解いてみると全く違う業務に従事しています。両者は介護業界には欠かせない職業であり、利用者が生活を営む上で重要な役割を担っています。両者の違いを知る事が業務効率の向上に繋がります。