No.160 介護士の役割とは
介護士は肉体労働でキツイと思われる方もいらっしゃいます。2025年には日本人口の3分の1が高齢者になると言われており、介護士の需要は今後ますます広がって行く見通しです。介護士の役割を中心に、仕事内容を5つの項目に分けて解説します。
介護士の役割
介護の歴史は1960年代頃より、介護保険の前身となる「老人福祉法」がスタートしました。当時の日本は現代よりも人口が少なく、老人医療費は無償でした。しかし年を追うごとに人口も増加していきます。
1982年には無償だった老人医療費が一定額負担となり、「老人保険法」が制定されます。そして2000年には高齢者を社会全体で支える仕組みに変わり、「介護保険法」が施行となります。この時期より介護士の需要が増え始めます。
現代の日本における介護の基本方針として、利用者本位・自立支援があります。考え方としては利用者の意思・決定を尊重し、様々なサービスで自立支援を行う事です。利用者本位・自立支援それぞれを解説します。
- ◎利用者本位
- 利用者本人の尊厳を守り、本人らしく生活を営めるよう支援することを指します。本人の意向に沿った支援を行い、本人が主体的になることを目的としています。本人が主役である自覚をさせることが大切となります。
- ◎自立支援
- 利用者本人にできることは本人にどんどんやらせるべきという考え方です。何もかも介護士がやってしまうと本人は「人の役に立たない」と感じてしまい、自尊心が損なわれてしまいます。本人が役割を果たせていると自覚させることで、自立を支援することができます。
介護士の仕事内容
介護士の仕事内容を5つの項目に分け、それぞれ利用者本位・自立支援の観点から解説します。
- ◎身体介護
- 介護士の仕事と言われると多くの人が思い描く仕事です。身体的不自由がある方への介助等を行い、利用者の自立支援を促します。介護士は本人が何に困っているのかを把握する必要があり、本人の本位に合わせて介助する事が大切です。
- ◎生活支援
- 生活支援とは主に衣食住のサポートとなります。食事の用意や掃除等、生活する上で欠かせない事柄を支援します。老人ホームだと衣食住全てが施設としてありますが、在宅介護の場合は本人・家族・ご近所の方などのニーズを把握する必要があります。
- ◎社会的支援
- 社会的に孤立している高齢者の方もおり、社会的に支援する事も介護士の仕事となります。他者と交流できるようにレクリエーションを企画したり、話し相手になったりする事で支援に繋がります。社会的支援を通して生きがいを見つける事で自立支援に繋がります。
- ◎相談、助言
- 利用者に対する相談や助言を行うことも大切ですが、ご家族の相談に応じることも大切な仕事です。特に在宅介護を行っている家庭には、福祉用具の助言等はご家族に安心してもらうためにも必要です。介護の専門家として助言する事は利用者とご家族の支援になります。
- ◎チームマネジメント
- 介護士の仕事はたくさんの協力があって成り立ちます。組織として利用者を支援するためには、チームマネジメントが必要となります。スムーズに支援するために介護士同士のサポートが必要であり、チームとして動くことも介護士としては大切な仕事です。
- ■まとめ
- 介護士の役割を中心に仕事内容を解説しました。介護士は利用者本位を尊重することで、本人の自立を支援する事ができます。超高齢化社会となる日本では、介護士の役割をしっかりと理解する事が大切です。