No.141 介護士としてキャリアアップするために必要な資格
介護職に従事するスタッフを全般に「介護士」と呼びますが、この分野でキャリアアップを目指すにはどうしたら良いでしょうか?具体的には「介護福祉士」など専門の資格が必要になります。ここではその種類と内容について解説いたします。
「介護士」とは介護職従事者全般を指す
一般に「介護士」とは、要介護者の身体的な介護や生活の援助などを実務にする人の総称を差します。資格としての「介護福祉士」と混同されることがありますが、実際には異なります。仕事の内容は、施設や訪問で行われる場合がほとんどです。
介護職の入門資格としては「介護職員初任者研修」が知られており、ここからさらにキャリアアップを望むのなら「介護福祉士実務者研修」、次いで「介護福祉士」を挙げることができます。それぞれの資格について、以下で解説いたします。
介護福祉士実務者研修
学歴や年齢など、受験するために必要な条件は特に定められていません。ただし、介護職員初任者研修よりもさらに実務に即した内容になっているため、相応の知識と経験が要求されます。
資格を取得するためには原則として20科目、合計にして450時間のカリキュラムを修了する必要があります。また、次に紹介する介護福祉士の資格を取得するためには、まずこの介護福祉士実務者研修を取得しておくことが必須になります。
介護福祉士資格
介護現場におけるプロフェッショナルであることを証明する国家資格であり、この試験に合格しなければ介護福祉士を名乗ることはできません。上述した介護福祉士実務者研修を取得していれば、受験することが可能となります。
また、福祉系の専門学校や大学で所定の単位を取得している、あるいは3年以上の実務経験があるなどの要件を満たしていても、受験することが可能です。
介護現場の全体を見通し、どのように介護するかの計画を立てる責任重大な仕事です。また、現場での課題を探り出し、それをどう解決するかを考えることも求められます。他の業種との連携も大事になるので、極めて重要な職種であると言うことができます。
更なるキャリアアップのためには
介護現場で更にキャリアアップを目指すのであれば、たとえば「社会福祉士」や「ケアマネージャー」などの資格が必要になります。
要介護者の中には、身体的・精神的・経済的などにハンディキャップを持っている人もいて、その問題と向き合うのが社会福祉士です。一般に「ソーシャルワーカー」と呼ばれる社会福祉系の国家資格になります。
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護を受けたい人のために、介護保険のサービス計画を立てる仕事です。当事者やその家族、施設の関係者とも円滑なコミュニケーションを取ることが求められます。
- ■まとめ
- 介護士のキャリアアップのための資格を紹介いたしましたが、もちろん資格を取りさえすれば大丈夫というわけではありません。目の前の要介護者に対し、寄り添いの心を持って仕事を1つ1つ丁寧にこなすこと、それがなりよりのキャリアアップと呼べるのです。