No.14 人を笑顔にする「介護の声かけ」って?
介護の現場では「声かけ1つ」(気遣い1つ)で気持ち良いコミュニケーションをすることができます。丁寧に接してあげることは、介護者と要介護者の関係を良くしていく(意思疎通)ことにおいて大切なことです。今回は、介護の声かけの仕方をまとめましたので見ていきましょう。
声かけの重要性とは?
介護の現場では、「移乗・移動・食事・入浴・着脱・排泄介助」を毎日行っています。これらの介助動作をする際の「声かけ」は、相手に安心してもらう(介助の内容を知ってもらう)ための心の準備といえます。
とくに高齢に伴い介護が必要になると、心身の低下が顕著にみられ「心と体のバランス」がくずれて様々なストレスを感じることがあります。大切なことは、相手の自尊心を傷つけたり不快感を与える言葉に気を遣い(丁寧に接してあげる)注意して声掛けすることが重要です。
認知症の方への「声かけ」や接し方って?
認知症になると脳の機能低下により会話が少なくなることがあります。そこで、積極的に声をかけて昔遊んだ子供のころの話や、若いころの記憶を引き出すことで会話の量も増え、脳が活性化されて認知機能(リハビリとなる)も良くなるかも知れません。
認知症の方への「声かけ」や接し方については、下記を参考にするといいでしょう。
- 認知症になると判断力や物を認識する脳の機能が低下していますので、声かけする時はゆっくり「分かりやすい言葉」で話すといいです。
- 認知症の人は、同時にいくつもの言葉を理解できないことが多く、会話や声かけをする時は、一度にいくつものことを話さずシンプルなこと(1つのこと)をいうことを心がけましょう。
- 認知症の人は、最近の話を記憶することが苦手なことがあります、しかし、昔のことを覚えていることが多く記憶も昔へと逆行していきますので、過去の記憶を引き出してコミュニケーションを増やしていくといいでしょう。
介護の基本は「声かけ」
介護を受ける側の視点で考えてみると「声かけをする」と「声かけをしない」とでは大きな違いがあります。下記に例を参考にしてください。
- ◎ベットで寝ている利用者の離床介助をする際の例「朝の起床編」
「おはようございます〇〇さん」、
「体調はいかがですか」
「よく眠れましたか」
「朝になりましたので起きましょうか」
などの声かけをした場合と、逆に何も声かけせずに介助をするのとでは、どちらが利用者にとって気持ちがいいのでしょうか? もちろん前者の方が「気持ちよく」「離床したい」と感じるに違いはずです。
後者の介助者(声かけなし)だと、利用者に警戒感をもたれ介助を拒否されること(信頼感を築くことができない)もあります。これらはほんの一例ですが、実際の介護現場でもよくあることなので、介護の際に声かけをしっかりして信頼関係を築き安心を与えましょう。
- ■まとめ
- 声かけについて解説してきましたが、重要なことは何よりも介護する(介助する)利用者の尊厳と自尊心を重視した考え方(声かけ)です。認知症や寝たきりになって会話がうまくできなくても、言葉以外の身振り手振りなどの非言語コミュニュケーションを使うのも効果的です。