No.109 介護福祉士とケアマネージャーの違い
介護福祉士とケアマネージャー、共に介護現場で働く仕事です。超高齢社会の日本で介護に携わる人の需要は増すばかりです。今回は介護現場で中心的な役割を果たす、介護福祉士とケアマネージャーの違いについて解説します。
仕事内容の違い
同じ介護現場で働く職業であっても、介護福祉士とケアマネージャーでは仕事内容が大きく異なります。まずは介護福祉士の仕事から見ていきましょう。
介護福祉士の仕事は、利用者の介護を行う事です。主な内容には、食事・排泄・入浴・外出・清容などの身体介助と、食事の支度や衣類の洗濯、清掃、整理整頓、買い物などの生活援助があります。
介護する人に対して、介助方法等をアドバイスするのも仕事の1つです。介護現場で実務を執り行う中心的な役割を果たします。
続いて、ケアマネージャーの仕事を見ていきましょう。ケアマネージャーは、介護保険制度に基づき、介護保険の加入者に向けてケアプランを作成する事が主な仕事になります。介護福祉士、社会福祉士、看護師、行政などと連携し、橋渡し役となります。
時には利用者やその家族からのクレームを聞く事も大切な役目です。ケアマネージャーは、介護サービスの利用者と周囲との間を調整する総合的な役割を果たします。
給与の違い
介護福祉士とケアマネージャーは仕事内容だけでなく、給与面でも違いがあります。一般的に、ケアマネージャーの方が介護福祉士よりも数万円程度月収が高いと言われています。また人によっては、ケアマネージャーをしながら介護福祉士としても働いている人もおり、当然その場合は収入がその分多くなります。
資格の違い
この項では、介護福祉士とケアマネージャーの資格の違いについて解説します。
- 【介護福祉士の受験資格】
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- 実務経験3年以上で実務者研修を修了している事
- 福祉系高校で指定のカリキュラムと単位を修めている事
- また、介護福祉士の養成施設に通った方は卒業と同時に資格を取得出来る為、試験は不要となっています。介護福祉士は、国が認定を行う国家資格です。介護福祉士の資格があると、技術や知識を有している事の証明となる為、雇用する側から一定の信頼を得る事が期待できます。介護福祉士の試験合格率は60%〜70%程です。
※現在の養成校ルートは変更があり、対象の方で介護福祉士の資格は5年間の猶予期間などがあります。また、法の改正により、平成29年度(第30回)から介護福祉士は国家試験の受験資格となりました。
- 【ケアマネージャーの受験資格】
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- 国家資格に基づく業務の実務経験が5年以上あり、900日以上ある事
- 相談援助業務に従事した期間が5年以上あり、900日以上ある事
- ケアマネージャーは実は国家資格ではありません。都道府県が認定する資格です。ケアマネージャーの試験の合格率は20%程度とかなり低いです。
介護福祉士とケアマネージャーの関係
ケアマネージャーになる人は、介護福祉士として実務の経験を積んでそこからステップアップした人が多いようです。介護現場では、ケアマネージャーが作成したケアプランに沿って介護福祉士が実際のケアを行う、上司と部下という関係性になります。
- ■まとめ
- 今回は介護福祉士とケアマネージャー、2つの仕事の違いをお伝えしました。どちらも介護の現場でなくてはならない存在です。その役割はこれからますます大きくなって行く事でしょう。