No.100 高齢者介護と脳トレの効果
高齢者や子供向けに開発された脳トレですが、近年では多くの高齢者事業所でレクレーションとして取り入れているようです。特に脳トレを含むレクレーションは、認知症の予防や維持・改善に効果があると言われています。今回は、脳トレの効果や高齢者にお勧めの脳トレの種類などを紹介しましょう。
脳トレとは?
脳トレとは、任天堂と東北大学の川島降太教授と共同研究して発売した「脳力トレーナーポータブル」の略称で、高齢者のみならず子供向けの能力向上のために発売されました。
2018年には、東北大学と株式会社日立ハイテクノロジーズとジョイントベンチャーで、脳活動を計測しながら脳を鍛え認知機能の維持・向上を目指す新サービスを提供しました。
その後、高齢者向けに記憶力低下予防や認知症予防・維持改善に良いとされて、高齢者事業所・デイサービスやデイケア・高齢者施設などでレクレーションの一環として行われるようになりました。
レクレーションや脳トレには、1人で行う個別のものから集団で行うものまで様々です。利用者のその日の気分や体調面に合わせて無理に行わずに、あくまでも本人の意思を尊重して参加してもらうことが望ましいでしょう。
脳トレの種類
①簡単な計算問題(足し算・引き算)
②しりとり
③クロスワードパズル
④数独
⑤塗り絵
⑥折り紙
⑦読み書き
⑧間違い探し
⑨四字熟語
⑩百人一首
⑪歌詞カード(唱歌・流行歌)
⑫オセロゲーム
⑬昔のことを思い出す回想法(芸能人や出来事)
⑭連想クイズ
⑮漢字読みクイズ
⑯雑学クイズ
⑰ことわざクイズ
脳トレの効果
- 脳の老化現象の予防(物忘れ予防)
- 認知症の予防
- 認知症の方の能力維持、改善
- 会話することでコミュニケーションが増加する
- 手先を使うので認知症予防になる
個人や集団で行う脳トレ以外にも、体全体や一部を使ったレクレーション・指先を使った手工芸などは、脳に刺激を与える意味では重要です。また、脳トレなどのクイズやパズルをする上で、頭を一生懸命使ったり他の利用者との会話をすることで、笑ったり楽しんだりして社交性が生まれるばかりでなく、普段は使わない脳の部位を使うことで刺激となり脳が活性化します。
- ■まとめ
- 脳トレを活用したレクレーションは、認知症の予防や維持・向上に繋がるだけでなく、利用者のやりがいや生きがいにもなります。重要なことは、本人の好きなプログラムを見つけて楽しみに繋がるような、レクレーション活動となるようにすることが大切です。個人活動が好きな方と集団活動が好きな方と様々ですが、あくまでも主体は本人ですので、その人が楽しく活動できることを尊重していきたいものです。