No.56 介護費用いくらかかるの? 〜在宅介護と施設介護の比較〜
もしも、突然親の介護が必要になった場合、介護にかかる費用はいくらなのか?経済的な面からも大きな負担がかかるのではないかと、とても不安な気持ちになると思います。
そこで、在宅サービスや施設サービス費用について理解することで、安心して介護ができるように、今回は両方のサービスについて比較しながら解説しましょう。
在宅介護はいくらかかるの?
2018年の民間企業の調査によると、介護費用は介護保険サービス費用の平均16,000円、その他合計で毎月平均5万円との報告があります。
在宅介護では、介護される方の介護度や認知症の有無によっても、介護費用も変わってきます。オムツ代や介護用の日用品、住宅改修や福祉用具レンタルを利用したり、訪問介護や通所介護を利用することでその介護費用は変わってきます。介護度が重くなるほど、費用がかかる傾向にあります。
施設介護はいくらかかるの?
施設介護といってもさまざまで、社会福祉法人などが運営する介護施設ですと10万円から15万円が相場ですが、民間が運営する有料老人ホームですと15万円から30万円の高級な施設もあります。
在宅介護で限界を感じたら施設介護を選択しよう
在宅介護は、施設介護に比べて介護費用が安いのですが、その分介護する家族にとっては、とても大きな負担がかかります。
例えば、寝たきり状態になった場合や認知症がひどくなった場合には、在宅サービスを利用したとしても、家族にとっては365日24時間、ほとんどの時間を要介護者から目が離せなかったり、体力面や精神的な負担は大きく、中には介護うつになることも珍しいことでは、ありません。そのような状態に追い込まれないように、限界まで頑張らずに施設介護を検討した方が良いと思います。
認知症の義母の介護体験
私の義理の母が認知症になったのは、今から約10年前でした。最初は、軽度の認知症で多少の家事、洗濯や掃除などはできましたが調理は火の消し忘れなどがあり、家族が行っていました。在宅で家族が一日に3交代で食事作りをしながら自宅で介護をしていました。 しかし、ある日夜間トイレに行こうとして転倒し、大腿骨頸部骨折で入院することになりました。長期の入院で床ずれができ、それをきっかけに認知症がどんどん進行していきました。
結局、骨折は完治しましたが、床ずれがひどく在宅ではみることができないため、老健に入所することになりました。老健では、4人部屋で施設利用料は約10万円から12万円(地域格差があります)と比較的安く、その老健施設で8年入所しお世話になりました。家族にとっては経済的負担が軽くて済んだのがせめてもの救いでした。
- ■まとめ
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現在、介護サービスを利用している在宅介護の方が多く存在します。自宅を訪問して、サービスを受けられる訪問系サービスのデイサービスなどに通って、サービスを受ける通所系があります。介護費用が安いのは在宅サービスですが、介護度が重くなり在宅で介護をすることが困難だと感じたら、早めに家族とよく話し合いを持って、担当ケアマネなどと相談し施設入所をすることも重要でしょう。