No.5 介護士にとって不安の原因と内容とは
介護職の人手不足や待遇面での問題など、様々な課題を抱えた介護業界ですが、介護士にとって毎日の業務を行う上で、不安を感じることも多いと思います。では、どのような時に不安やストレスを感じるのでしょうか、今回はその原因と内容を紹介していきましょう。
人手不足で休みをとることが難しい
実際の介護現場は人手不足であり、人員規定で利用者の数で介護士の人数が決まっています。夜勤は確実に決まった人数で行うのですが、日勤帯において職員の欠員が出ると、少ない人員で業務をこなさなければいけません。そんな状態が長く続くと大きな負担を強いられることになります。
そのため、休みがとりづらいと言う現状があるなか、少ない人数で業務をこなすことで「いつまでこのような人手不足が続くのだろう」と不安に感じることがあります。
能力以上のものを求められる
介護士は日常業務に追われて個人にかかる負担が大きく、仕事を続けていくのに不安を感じることや、また、能力や実力以上の業務や役職を任されることに不安を感じることがあります。
介護職員にとって不安な看取り(ターミナルケア)
介護職員にとって看取りをしている施設ですと、特に職員が少ない夜勤での勤務は、「何かあったらどうしょう」と思い、とても不安を感じるものです。
看護師の配置されていない介護老人福祉施設(特養)ですと利用者の急変時にオンコールをするのですが、看護師や医師が駆け付けるまで時間がかかり、それまでの間、介護士が対応しないといけません。
それが大きな不安であることは、看取りを実施している施設職員でしたら常に感じているストレスでしょう。
看取りに対する研修が重要
もし、仮に利用者が急変して亡くなった場合、たとえ自分の身内でなくても、生活を共に過ごした利用者は、情が移っているのでショックと悲しみの感情を抱くものです。新人の職員であれば猶更のこと死に対する恐怖などが、強く感じられることでしょう。
それを想定して看取りケアの教育や研修を行って対応の方法をしっかり実施することが、介護職員が死を受け入れる心の準備ができるようになるでしょう。また、看取りを対応した職員への心のケアも重要です。
- ■まとめ
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いかがでしたか? 今回は、介護施設で働く介護士が不安に思っていることを書いてみました。多忙な業務のなかシフト制で勤務していて生活リズムが崩れて体調を乱したり、また認知症利用者などの介助をするうえで、BPSD(徘徊など)に対しての支援や対応などが、いかに大変かは、介護士ならではの悩みでしょう。
人手不足も重なって、その業務の内容や技術も多様化し、より専門的なことが介護士に求められることも不安を感じる一因でしょうが、一番の不安要素は、利用者の命と向き合って仕事をしていることだと思います。