No.4 施設においての介護福祉士と看護師の違いとは?
介護サービスの中でも代表的な3つの主な介護施設は、介護老人福祉施設(特養)・介護老人保健施設(老健)・療養型医療施設の3施設があります。そこでは、いろいろな職種の方が働いていますが、その中でも特に利用者と常に接しているのが介護福祉士と看護師でしょう。今回は、お互いの職種でどのような視点の違いがあるのでしょか?また、日々の業務の内容はどのようなものか解説していきましょう。
介護福祉士と看護師の視点の違い
介護福祉士は、本来、利用者の生活の面を重視して介助したりするのが主な仕事ですので、いつも身近にいて話し相手になったりすることで、利用者と直接関りをもつ機会が多くなります。
一方看護師は、介護施設に勤める前に病院で経験を積んでいる方も多く、介助よりも患者のバイタルチェックや治療・医療的処置を最優先に考えて、医療を重視する考えをもっている方が多いのが現状だと思われます。
このため介助は、介護福祉士の仕事、バイタルチェックや医療的処置などは看護師の仕事だと考えて利用者に接している傾向があります。
介護福祉士の専門性と医療行為
これまで介護の現場において、介護福祉士は看護師より立場的に下に見られてきた傾向がありました。看護師が介護士に対して優越感をもっていることや、逆に介護福祉士が看護師に対して劣等感をいだいているのも事実です。
しかし同じ介護施設で働く上で、そのような感情は、もつべきではないと考えます。これまで医療行為とされていた喀痰吸引や胃瘻の管理が、介護福祉士にもできることになりました。
また、キャリアアップ制度ができ、最上級の主任介護福祉士等が、利用者の介護をするだけではなく他職間との連携や利用者・家族の相談・介護の指導なども介護福祉士の専門的な分野であり大切な役割となりました。今後介護福祉士の専門性を活かした役割も大きく期待されることでしょう。
介護福祉士の専門性と医療行為
介護福祉士の年収は約250万~、看護師は約400万~と、1,5倍の違いがありますが、看護師は高額な学費を使って看護学校や看護大学などを卒業してきていますので給料が高いのも、うなずけます。
しかし、来年の10月には、勤続10年の介護福祉士の処遇改善として月額8万円の給料上乗せをすることが閣議決定されています、そうなると施設によっては、看護師より一部の介護福祉士の給料が高くなる逆転現象が起こることも想定されます。
- ■まとめ
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看護師と介護福祉士の視点の違いや仕事の内容の違いを見てきましたが、その役割に違いはありますが、利用者個人と向き合うという点において、看護師は医療の面からの職務であり、介護福祉士は、生活の面から支援していく職務で、患者を思いやる共通点は一緒だと思います。
双方が協力し、利用者が施設において過ごしやすい環境を作ることで、生きがいをもった生活を実現する手助けが可能となります。介護士と看護師の両方が一つの共通目標をもって仕事の役割や垣根を超えて、仕事を協力し合うことで利用者の介助や支援もスムーズにいくのではないでしょう。