No.47 介護の現場で行われているレクリエーションの効果
デイサービスや介護施設では、さまざまなレクリエーション(以下レクという)が行われています。個人を対象とした個別レクや利用者全員で行う集団レクと、その形態や内容は、それぞれ介護職員が工夫を凝らしたものが多くあります。
今回は、レクの目的とその効果について考察してみましょう。
レクの目的とは?
デイサービスや高齢者施設で行われるレクの目的には、いろいろな目的があります。その目的や効果について下記にて紹介しましょう。
◎体を動かすレク(身体機能の向上につながる)
レクを通して体を動かすことにより、身体機能の低下予防や向上にもつながり、楽しみながら筋力アップにもなります。レクをすることでリハビリの効果も期待できます。
- 風船バレー
- ラジオ体操
- じゃんけん・グーパー運動
- お玉投げ など
◎脳を使うレク(脳の活性化につながる)
手先を動かす作業は、脳全体の部位に刺激を与えることで、脳を活性化して認知症の予防や症状の進行を遅らせたりする効果があるといわれています。
- 簡単なクイズ
- しりとり遊び
- なぞなぞ
- カルタや百人一首
- トランプ など
◎他者との交流を楽しむレク(社交的になり、外出する機会が多くなる)
特に自宅からデイサービスを利用している方にとっては、自宅では引きこもりがちで外出が億劫に感じ、外出を控える方が多いです。デイサービスなどで集団レクに参加することで、同じ利用者と触れ合い活動的になり、外出をするようになる効果があります。
- ボール運び
- ジェスチャーしながらの伝達ゲーム
- 輪投げ など
◎感情が安定するレクリラックス効果や癒しになる
高齢者は、心身の機能の衰えからくる不安や眠れない、などといった悩みやさまざまなストレスを感じているものです。そのため、レクはストレス解消法としても効果があります。
- アニマルセラピー
- 音楽療法
- ハンドマッサージ など
個別や小人数で行うレク
- お手玉
- 折り紙
- 塗り絵
- 手芸
- 書道
- オセロ
- クロスワードパズル など
- ■まとめ
-
レクを行うことで得られる効果はいろいろありますが、身体機能の低下や予防・維持・向上をはじめ、脳機能の活性化を促進し、認知症の予防・維持に対しての効果を目的としています。
また、利用者同士の交流やコミュニケションをとることで、自宅での社会生活でも近所とのつながりもスムーズにできる目的があります。介護事業所で過ごす日々のなかで単調になりがちな生活に、変化や刺激を与えることで生活に潤いがでて、楽しく生きがいを持って暮らすための役割が、レクをする重要な目的でしょう。