No.29 介護・介助の意味 ~介助の注意するポイントとは?~
介護と介助この双方の言葉の意味は何が違うのか、よく分からない方も多くいるのではないでしょうか。今回は、介護と介助の違いと実際の介護現場で介助する際の注意点について書いてみました。
介助・介護の意味とは?
介助とは、高齢者や障害者・病気などで日常生活に支障をきたした方の生活をサポートすることをいいます。また、高齢者などを例にとると、食事・入浴・着脱・排泄・歩行・移乗・移動などのお手伝いをイメージすると分かりやすいです。
介護とは、高齢者や障害者・病人などの世話をするという意味です。サポートの範囲は、身体介助以外にも精神的な面からも援助し、生活の質を向上させるのも含めて全体的な面からの支援・介助を総称して介護といいます。
以上のことから「介助」とは実際に本人の食事やトイレ、お風呂を手助けする「サポート」=「日常生活を助ける」といえます。一方「介護」とは、日常生活の自立を目指す行為全般といった「広い意味」を持っています。
介護と介助の意味が理解できた上で、介助の方法(ポイント)について見ていきましょう。
食事介助で注意すべきポイント
- 食事が自立している方は、できるだけ自力摂取ができるよう介助せず促しましょう。
- 一部介助では、見守りしながら自力摂取を促してできないときだけ介助しましょう。
- 全介助で、座位保持が難しい方は、イスなどにクッションなどを使って正しい姿勢を保ち飲み込みを確認し、食べ物を口へ運ぶタイミングに注意して介助しましょう。
- ベッド上で寝たきりの方の食事介助は、ベッドを起こして仰臥位(上を向いて寝た状態)で角度は60度に保ち、あごの位置を前向きにして、特に誤嚥に注意しながらよく観察しながら行いましょう。
- 麻痺がある方であれば、食べ物を口まで運んであげてキチンと飲み込みを確認し、誤嚥に気をつけましょう。
入浴介助で注意すべきポイント
- 入浴前には、バイタルチェックを行い体調の確認を行いましょう。
- 脱衣場は、濡れていることが多く滑り止めマットを設置しましょう。また、入浴場や入浴用のイスも常に濡れていますので、転倒などには十分気をつけて介助しましょう。
- 冬などは、気温が下がっていますので入浴場と着衣上の気温差のないように工夫しましょう。
- 入浴中は、利用者の皮膚の状態や床ずれがないか確認しましょう。
排泄介助で注意すべきポイント
- トイレまで移動する際には、転倒に注意しましょう。
- 一部介助で立位が不安定の方には、二人で介助しましょう。
- トイレでは、他の利用者から見えないようにプライバシーに配慮しましょう。
- オムツ交換の方の介助は、相手のプライドを傷つけないように心がけ、異性に抵抗感がある場合は、同性の方が介助を行った方が良いでしょう。
着脱介助で注意すべきポイント
- 自分で着替えができる方は、できるだけ自分で着替えをするように見守り、促しできない部分だけ介助しましょう。
- 麻痺がある全介助の方でしたら脱ぐときは健側の袖から、着せるときは患側から行い着替え中の骨折や剥離を防ぐためゆっくりと介助しましょう。
歩行介助で注意すべきポイント
- 歩行が安定している方でも、少しの段差で転倒に繋がることがありますので、側について相手の歩くペースに合わせて見守り介助しましょう。
- 視覚障害者の場合は、介助者は利用者に肘を持ってもらい常に声掛けしながら歩行介助しましょう。
- ■まとめ
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今回は、介助のポイントについて解説してきましたが、介助の技術もとても大切なことです。しかし介助で注意しなければいけないことは利用者に不快感や苦痛を与えずいかに安全な介助を行えるのかということです。