No.184 介護士の現状とは?介護士不足に向き合おう!
介護業界の現状はというと、社会の高齢化に伴って介護士不足に悩まされています。そこで今回は、介護士不足の背景、そして国が介護士の確保に向けて具体的に講じている施策についてご紹介します。介護士の現状について理解を深めることができたら嬉しいです。
本当に介護士は不足しているの?
高齢化により介護士不足が問題となっていますが、本当に介護士は不足しているのでしょうか。具体的にどの程度介護士が不足しているのかご説明します。
2021年7月9日に公開の厚生労働省「介護人材確保に向けた取り組み」によると、介護士の有効求人倍率は増加の一途をたどっています。現状で不足しているだけでなく、介護人材の需要推計では、2023年度で約22万人、2025年度では約32万人の介護士が不足すると見込まれています。この問題を解消するためには、年間約6万人の新たな介護士を確保する必要があります。
介護士不足の背景
介護士不足の背景には、2つのことが考えられます。
- ・介護士に対するイメージ
- そもそも、「介護職に就く人が少ない」という問題があります。理由として、介護士の仕事はきつかったり給料が安かったりと、ネガティブなイメージが先行しているからです。その結果、就職を希望する人が少ないのです。
- ・日本の高齢化
- 平均寿命が延び、高齢化が進んだことが挙げられます。社会の高齢化が進み、1950年には総人口の5%に満たなかった高齢化率が、2017年には27%を超えました。このように高齢化が進むことで、働く世代の減少、介護を必要とする人の増加が起きているのです。
介護士確保のための施策
介護士を確保するために国が講じている施策を2つご紹介します。
- ・介護士に対するイメージの改善
- 厚生労働省では、文部科学省と連携して小中高生を対象に介護士の魅力を伝える取り組みを行っています。具体的には、夏休みに介護の仕事体験をして介護士に興味を持ってもらうことや、介護士に対するイメージアップに向けた番組を制作するといった事業などが行われています。
- ・介護士の労働環境改善
- 「介護職員処遇改善加算」というものが創設されています。これは、キャリアアップの仕組みを作ったり、職場環境の改善を行ったりした介護施設や事業所に、報酬という形で介護職の給与を上げるためのお金を支給するという制度です。このように、今後も引き続き処遇改善が進められると予測されています。
- ■まとめ
- 今回は、介護士の現状についてご説明しました。介護士不足の背景には、介護士に対するネガティブなイメージや、高齢化が関係していることがわかりましたね。しかし、国を上げて課題の解決を進めていることもわかりました。介護士は将来性が不安というイメージを持っている方もいますが、高齢者の増加に伴い介護士の需要は今後も高まっていくでしょう。そのため、仕事を失うリスクの低い職種を探している方や介護職に就くことを考えている方は、ぜひ介護職に就くことをご検討してみてはいかがでしょうか。