No.180 介護士という仕事とメリット
介護現場における人手不足の問題は、ニュースなどでもよく取り上げられています。超がつくほどの高齢化が進み、介護士のニーズは高まるばかりです。介護の仕事は体力的にも精神的にもきついと言われていますが、多くのメリットもあります。今回は、介護職のメリットについて見てまいりましょう。
平均寿命と健康寿命
人生100年と言われ始めてもうすでに数年が過ぎましたが、実際我が国の平均寿命は伸び続けています。また、それは健康寿命と呼ばれるものが伸びてきていることでもあります。健康寿命とは、健康上の理由で日常の生活に制限がなく活動できる期間のことです。
この平均寿命と健康寿命の差が大きくなるということは、「不健康な期間」を過ごす方が増えるということを意味します。ということは、要介護者が増えるということも意味しているのです。これは今後増える傾向にあると言われております。
介護の世界でも、この問題は一つのテーマとして語られることが多々あります。健康寿命が延びれば、要介護者の人数が減ることにも関係してくるからです。健康な高齢者が増えることは介護の世界に与える影響は大きいといえます。
介護士が忙しすぎる社会は、大きな意味で健全な世界とは言い難い面があります。人は健康に長生きできてこそ、幸せな老後といえるのではないでしょうか。介護を必要とする生活は、本人のみならず同居する家族の生活にも大きな負担となってしまいます。
それでも介護は必要
理想は皆が健康な老後を長く生きることですが、この問題は個人レベルだけで解決できるものではありません。厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」によれば、2020年時点で認知症患者は600万人を超えると言われています。
認知症のメカニズムはまだ完全に解明されておらず、いつ誰に訪れるか正確な予測がつきません。加えて、認知症以外の要介護者も少なくないのが現状です。ゆえに介護職は今後ますます求められる職種であると考えられます。
介護士の必要性とメリット
今後日本では、2025年には団塊の世代と呼ばれる世代が75歳を迎えます。国民の4人に1人が後期高齢者ということになるのです。これは介護職員、特に介護福祉士がまだまだ多く必要ということを示しています。
今後の日本の未来を見据えると、介護の質的低下を避けつつ増え続ける要介護者に対応することが課題として挙げられるでしょう。それをクリアするには、専門性の高いスキルを持った介護福祉士を中心とした介護職員の確保が重要と言えます。
介護士という働き方には、その分野で正規雇用を目指す場合、介護スキルを上げるための機会が多く得られ、自身の専門職としての キャリアを上げやすいというメリットが見出せます。そこから得た資格を活用し、上位職種への道を目指すといった目標にも繋げられることでしょう。
加えて、人生設計が立てやすくなるとも言えます。正規の社員として働くということは安定した収入が見込めるので、今後のライフプランの組み立てに希望が持てます。また、人手不足ということは売り手市場とも捉えられますので、昇給や賞与といった事も厚遇されることが予想できます。
もちろんどのような職場でもメリットとデメリットは存在しますが、介護職は今後発展が大きく期待されている職場です。待遇の改善など積極的に行われている業種ですので、安心して働ける環境にあるのではないでしょうか。
- ■まとめ
- 介護の仕事は、何よりも社会に求められている仕事です。他人に感謝され自身も十分な達成感と満足感が得られる介護の仕事に就くということは、個人的にも社会的にも大きな意味を持つものではないでしょうか。