No.153 介護士の指導 ~褒めるコツと叱り方の注意点~
介護士や介護に携わる人の離職理由として、上位に挙がる「職場の人間関係」。人間関係が良好だと仕事も円滑に進み、職場の問題解決に繋げることも出来るのではないでしょうか。今回は良好な人間関係の構築方法として、褒めるコツと叱り方について紹介します。
褒め方のコツ
褒められることは誰にとっても嬉しいことです。上司や先輩に限らず、誰かから褒められるとモチベーションも上がります。また人を褒めることは相手に自信を与えたり、スムーズな人間関係を築いたりするのにも効果的です。以下に褒め方のコツを紹介します。
- ○褒めるときに嘘を言わない
- ○具体的に褒める
- ○うまく褒めようと意識しすぎない
- ○本人がいないところで褒める
- ○はっきりと自信をもって褒める
- ○ただ褒めるだけではなく自身の気持ちも伝える
褒める時の注意点
褒め方によっては逆効果になることもあります。以下に褒める時の注意点を紹介します。
- ○上から目線で褒める
- ○過剰(大げさ)に褒める
- ○他の人と比較して褒める
- ○明らかに簡単なことで褒める
叱り方にも注意が必要
新人介護士や後輩への指導の際、やみくもに褒めれば良いというものではありません。しっかり注意や叱ることのできる上司や先輩職員に褒められることで、よりモチベーションもあがるのではないでしょうか。
しかしその叱り方が一方的であったり、理不尽だったりしてはいけません。また強く叱った時ほどフォローはしっかり行いましょう。
「叱る」とは相手のことを思い成長を促す・次の改善に繋げるという意味合いがあります。自身の感情を相手にぶつけ、ただの「怒り」にならないように注意しましょう。以下に叱り方の注意点を紹介します。
- ○誰もいないところで叱る(人前で叱らない)
- ○事実確認をした上でどこがどういけなかったのか、具体的な指摘をして叱る
- ○感情的にならない
話しやすい雰囲気づくり
介護職は物理的・精神的ケアなどさまざまな状況への対応が求められ、業務に追われることも多々あります。忙しさのあまり周りが見えなくなってしまい、つい口調が強くなってしまう事はありませんか?
上司や先輩職員が忙しく動き回っていると、新人介護士や職場のスタッフは話しかけることを躊躇したり遠慮したりしてしまいます。また無表情や険しい顔をしていると、声が掛けづらいと感じてしまいます。なるべく相手が話しかけやすい雰囲気を作ることも大切です。
互いに認めて褒め合う
仕事を円滑に進めようとするあまり、(相手の欠点を直そうと)つい悪い部分を探してはいませんか。相手の悪いところを探すのではなく、良いところを見つけてそこを伸ばしていきましょう。お互いを認めて褒め合うことで良い関係や環境が作れるのではないでしょうか。
- ■まとめ
- 新人や後輩の指導以外にも普段から職員同士で褒め合うことで、良好な人間関係が構築出来るのではないでしょうか。人手不足が続く介護の現場。定着して仕事を続けるためにも人間関係は重要です。良い環境づくりの方法として「褒める」ことの実践もオススメです。