No.123 多忙な介護士を志す方に必須の自己メンタルケア
介護職の離職理由の多くは、ストレスによる体調不良や精神疾患です。介護士は業務上の関係で非常に精神的な負荷を受ける機会が多く、精神疾患を患う可能性が少なくありません。精神がすり減ってしまう前に、自己のメンタルケアの方法やストレスを溜めこまないコントロール方法を考えていきます。
介護職のストレスの原因
介護職は、日々業務の繰り返しと、常態化しているサービス残業というように過酷な労働環境に置かれている介護職員が大半です。アドラー心理学では、全ての悩みは人間関係に集約されるとあります。介護職に限りませんが、人間関係のトラブルは激務以上に精神をすり減らします。合わない仕事を押し付けられたり、責任を押し付けられたりといった不条理は、社会人の多くの方が経験するストレス原因だと思います。しかし、自分でストレスコントロールできるようになれば、前向きな姿勢を保てるだけでなく仕事効率や人間関係も良好になります。
ストレスを溜めこまない対策方法
- ◎相談ができる場所を確保する
- カウンセリングというような本格的なものでなくても、家族や友人といった信頼のできる方に話を聞いてもらうことで構いません。自分の気持ちを吐露できる場所があるだけで、気持ちがとても楽になります。
- ◎自分の頑張りを認めてあげる
- 大変な仕事ほど悪いことに目が行きがちになってしまいますが、1日の終わりに今日の頑張りを褒めてあげることでポジティブな気持ちを保つことができます。自分だけでなく、同僚や後輩が良い仕事をした時、言葉にして褒めてあげることで人間関係も良好になり、良いサイクルが生まれることもあります。
- ◎ストレス解消効果の高い運動
- ランニング・ウォーキング・ストレッチといった適度な運動は確実にストレス解消に繋がります。外に出て日光を浴びることや、一定のリズムで繰り返される運動を行うことはセロトニンの分泌を促します。セロトニンは脳を活性化させ、健やかな精神状態を保ち、寝起きも良くなります。SSRIといった抗うつ剤にもセロトニンの再取り込みを阻害する作用があるように、セロトニンには心の健康に欠かせない効果をもたらすことが科学的に実証されています。
- ◎最終的には転職も考慮する
- 介護現場によって従業員の権利を重んじる施設とそうでない施設にかなりの差があります。良い人間関係も個人の力だけでは限界があります。どうしても付いていけなくなった時は、体調を第一に考えて転職や休職を視野に入れても良いかもしれません。体あっての仕事であり人生です。
- ■まとめ
- 昨今のコロナウィルスの影響による、医療・介護にかかる負担は重大な問題として取り上げられています。患者や介護者を守るには自身の健康からコントロールしなくてはなりません。どうしても我慢できない時は自分の気持ちに嘘はつかず、仕事から離れる勇気も大切です。今後、介護従事者に向けた法整備が切に願われますが、自身で行える対策法も是非実践してみてはいかがでしょうか。