No.12 介護サービスでケアマネが行うアセスメントの手法とは?
介護福祉分野において介護支援専門員(以下ケアマネジャー)は、ケアプランを作成する専門職です。今回は、その作成をしていく段階で重要な「アセスメント」の手法について解説していきましょう。
アセスメントとは?
アセスメント(assessment)とは、「評価」「評定」「査定」という単語でよく使われる用語です。介護の分野では「評価」という意味で使われています。アセスメントをした後、そこから見えてくる「解決すべき課題」を明確にして、ケアプランに反映することができます。
アセスメントに重要な「サービス利用者の情報収集」とは?
ケアプランを作成は、介護サービス利用者や家族との面談・相談(インテーク)で情報を聞き取り(ヒヤリング)をすることが最初の段階となります。まずは、本人の主訴(要望や問題点)などをよく聞き、その背景にある課題の発見について考えます。
他の介護サービスを利用している場合などは、他職種からの情報を収集・連携を行うといいでしょう。例えば、定期的に病院を受診しているのであれば、医師(主治医など)から、さまざまな情報を収集することで、利用者の心身の状態や生活の状況などがより正確に(細かく)見えてきます。
情報は、多ければ多いほど「アセスメント・課題分析・ケアプラン作成」がきめ細かくできるのでとても重要です。
私の体験談「アセスメントは利用者の視点に立つこと」
私は、介護保険施行2000年以前から介護施設に勤めていましたが、いよいよ介護保険がスタートするということで、介護保険制度の内容がよく分からずドタバタした経験があります。 「制度が始まったら何が変わるのか」「ケアプランの作成方法はどのようなものか」と試行錯誤していました。さまざまなアセスメント方法やケアプランの作成方法など、ケアマネが中心(介護職員や看護師等も含め)となり、アセスメントからケアプラン作成までの講習会(勉強会)を毎週行いました。
現在のケアマネが利用者全員を担当するような仕組みではなかったので、担当する利用者も人数割して4名から5名を受け持っていました。今考えると、当時はケアマネがうまく機能してなかったのだと思います。
アセスメントをしていくことで、職員の意識が変わり(ケアが統一)介護サービス利用者への理解が深まります。介護サービス利用者のありのままの状態を詳細に把握し、よりよく暮らしていくためには、利用者の視点に立つことが大切なのです。
- ■まとめ
- ケアプラン作成の最初のプロセスであるのが「アセスメント」です。サービス利用者の詳細な情報を把握して「在宅介護」や「施設介護」のどちらを利用するにしても、利用者の視点に立つアセスメントが重要(よりよい生活を重視したプラン作成をするためにも)といえるでしょう。また、介護サービス利用者が「何を問題とし、望んでいるのか」を実現するための課題解決はケアマネの手腕にかかっているといえます。