No.118 介護士の働き!認知症に対する資格は?
介護現場において、介護士は認知症の方とどのように接していくのかは1つの課題でしょう。将来、高齢者5人に1人は認知症になると言われています。認知症とは何か。またその認知症の方に接する介護士に必要な資格などについてご紹介します。
認知症とは何か
認知症は、脳細胞の死滅や活動低下により起こされる症状や状態の総称です。認知症になると日常生活において、理解力・判断力の低下や記憶障害が生じて支障が出る状況となります。
認知症で、最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で認知症全体の約半数を占めています。その他には「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」などがあり、この4種類の認知症で認知症全体の約90%を占めています。残りの10%に、約70〜80種類の認知症があると言われています。
物忘れと認知症の違いは何でしょう。物忘れの場合、ひどくなっても何かのきっかけやヒントで思い出せれば、特に生活への支障がないと言えます。それとは逆に、直近の出来事が覚えられなかったり、判断力が低下したり、忘れた事を思い出す事が出来ず生活に支障が生じていると、認知症である事が考えられます。
介護士の資格と認知症
介護には、症状に対して正しい理解と知識が必要です。それを身に付けている事を表すには「〇〇の資格を持っています。」「〇〇研修を修了しています。」という事で要介護者やその家族からの信頼が増します。ではどのような資格があるのでしょう。介護職においての資格をご紹介します。
1.認知症介護基礎研修
この研修の受講者には、介護保険施設や事業所で、認知症介護に関わっている介護職員である事が求められます。介護初期の方向けの研修で、この症状に関する基礎知識や技術について講義と演習で学習します。カリキュラムは1日で修了し、試験はありません。
2.認知症介護実践者研修
受講資格は、認知症介護基礎研修と同じです。また、介護経験が2年以上など、ある程度現場で経験のある中堅介護職の方向けの研修です。研修内容は、講義と演習だけでなく自身が勤務している施設で2週間程度の自施設実習も含まれます。最後に発表とレポートの提出があり、1〜3ヶ月程度でカリキュラムは修了します。
3.認知症介護実践リーダー研修
受講資格は、認知症介護実践者研修を修了して1年以上経ている事が条件です。ケアチームのリーダーか介護経験が5年以上あるなどのベテラン介護職向けの研修です。研修内容は、講義と演習に加えて自身が勤務している施設で4週間程度、他の職員の指導を実習します。研修最後は評価と結果報告を合わせると、カリキュラムの修了は長い場合で半年ほど要します。
民間資格には、認知症ケア専門士・認知症ケア指導管理士・認知症ライフパートナー・認知症介助士などがあります。
認知症の予防法は?
脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症は、生活習慣病と関連が強いので、それらを予防するには生活習慣を見直す事から始めましょう。持病を持った方は、悪くならないよう注意が必要です。
脂質や塩分・糖質の取りすぎに気を付けて、色々な食材をバランスよく食べるようにしましょう。また、負担にならない程度の運動や柔軟体操も脳細胞に刺激を与えます。更に、沢山の人と関わりを持つ事も大切です。お喋りする事は脳を刺激します。
- ■まとめ
- 超高齢者社会を迎え、近い将来高齢者の5人に1人が認知症というのが日本の実情です。今回は、認知症とは何か、また、介護士は認知症に対してどのような資格があるのか、その他予防法などについてご紹介しました。