No.107 介護における良い座位とポジショニングは床ずれ予防で重要
介護する上で座位姿勢や寝ている時のポジショニング・姿勢は、とても重要です。悪い姿勢を続けていると、床ずれの原因にもなりかねません。今回は、寝たきり状態での座位保持や寝返りができない方にとって、良い座位姿勢やポジショニングについてみていきましょう。
良い座位姿勢とポジショニングが重要な理由
寝たきり状態の方にとって、良い座位姿勢を保つことや良いポジショニングは、腰痛予防や床ずれ予防に繋がりとても大切なことです。
座位の種類
以下に座位姿勢を紹介しましょう
- 〇長座位
- 長座位とは、足を前方にまっすぐに長く出した姿勢のことを言います。
- 〇端座位
- ベッド上では横から足を床に下ろした座位、その他、腰かけた座位、イスでの座位があります。端座位が安定していることで座位保持が可能となり、トイレの排泄動作が自立していることに繋がります。
- 〇半座位
- ベッド上の座位では、上部を少し上げた「ギャッチアップ」や「セミリクライニング」した状態を言います。自力で座位保持ができない方の半座位では、ベッドを約45度ギャッチアップして、背中に枕やクッションを置いて体位保持につとめます。
ポジショニング・臥位の種類
以下にポジショニングの種類を紹介しましょう。
- 〇仰臥位・背臥位
- 顔と腹部を上向きにして仰向けで足を伸ばした状態です。
- 〇腹臥位
- うつ伏せになった状態でお腹を下にして寝る姿勢です。足や腕のどちらかを曲げて寝ることで、リラックスした姿勢になります。
- 〇側臥位
- 横を向いた状態で寝る姿勢です。横向きだと背中や足の部分が圧迫されやすいため、腕を前に引き出して除圧を行います。また、姿勢が不安定なため、背部や足にクッションや枕を添えると安定感が増します。
- 〇半側臥位
- 横向きの状態で約45度の臥床姿勢を取ります。褥瘡予防や褥瘡のある方には、半側臥位の姿勢で背部や仙骨部などの除圧のために枕やクッションなどを用います。
- 〇背臀位
- 仰向けに寝て、膝を立てた状態で寝る姿勢を言います。腰痛予防に効果的な姿勢と言われています。
- 〇半腹臥位
- 長座位とは、足を前方にまっすぐに長く出した姿勢のことを言います。
- 〇屈曲側臥位
- 横向きで体を丸めた状態で眠る姿勢です。
- ■まとめ
- 介護の現場では、1日に何度か臥床状態から車イスなどへの離床が行われていますが、特に寝たきり状態の方や身体機能が低下している方にとって、ベッドでの良い体位・ポジショニングや車イスでの座位は、床ずれ予防のためにとても重要になってきます。利用者個々に合った介助を心がけましょう。