No.79 介護の負担を知る!〜軽減する方法は?〜
介護にはどのような負担が多いのか?また、介護負担を軽くするには、どのような方法があるのかについて見ていきましょう。
介護で感じる大きな4つの負担
- ◎肉体的(身体的)負担
介護では、要介護者の体を四六時中抱えたり支えたり、動かす必要があるため、介護をする人の体の負担はとても大きくなります。また、女性が介護をすることが多く、要介護者が男性であったり、介護者よりも体が大きいことも十分に考えられます。
近年、高齢化社会で問題になっている「老老介護」などは、かなり厳しい状況です。こういった事から、介護者の肉体的な負担は想像以上の負担を受ける事になります。- 足腰の痛みでトイレやお風呂の介助が出来ない。
- 自分よりも体が大きくて支えきれない。
- 寝不足で疲れが取れない。(夜中のトイレやおむつ交換 等)
- 疲労で倒れた(入院した)等
- ◎精神的負担
家族の介護は突然に始まることが多いため、何をすればいいのか?どう対処すればいいのか?わからない事の連続です。今までの生活も一変してしまうわけですから、当然精神的な負担は多大なものです。
介護をしていくと、主に介護をしている方は仕事を辞め、自宅に籠る生活が続くことが多くなると、孤立感や閉塞感が増して精神的に参ってしまい「介護うつ」になる可能性が高くなります。- 家族が要介護になったショック
- 仕事に支障が出る、離職をしなければならなくなる
- 要介護者との意思疎通が上手くいかなくて疲れる
- 要介護者に怒ってしまい自己嫌悪してしまう
- 他の家族からの協力が得られないため一人で抱え込む
- ストレスが溜まる
- ◎金銭的負担
金銭的な負担は、介護をするために仕事を辞めざるえないため、収入がなくなる(減る)等の経済的負担も大きくなります。また、介護支援を受けて負担額が少なくなっても、介護にはその他の自己負担金もかなり出てきます。
- 紙おむつ
- 防水シーツ
- 介護食品 等
- 退職して収入がない(減る)
- ◎時間的負担
介護は、24時間(四六時中)時間を拘束されることになります。また、仕事だけでなく家のことや家族の事などをしなければならない方が多数です。その負担は、大きく介護者の生活を壊すことにもなります。
- 自分だけの時間がない
- 出かける時間がない
- 寝る時間がない
- 仕事を早退、休みを取らざるをえない
介護の負担を軽くするには
介護サービスを利用したり、介護保険の範囲内で利用できるサービスを受けて介護者の休み(リフレッシュ)作る必要があります。では、どのような介護サービスがあるのでしょう。
- ◎ショートステイ
- 介護施設などに泊まるサービス
- ◎デイサービス
- 介護者の負担を軽くする。
要介護者の自立支援のために介護施設に通い食事やお風呂の支援を受けられるサービスです。(日帰り)
- ◎訪問入浴介護
- 専用の浴槽や車両で自宅へ訪問し入浴の介助するサービスです。
- ◎訪問介護
- 介護職員が訪問して入浴、食事の介助、トイレ、生活支援や介護するサービスです。
- ◎行政支援
- 介護サービス費用や医療費等が高くなった場合は、国の制度で費用を緩和する制度があります。
- 高額介護サービス費
- 出かける時間がない
- 寝る時間がない
- 仕事を早退、休みを取らざるをえない
市区町村によっては、それぞれの高齢者支援サービスがありますので、包括支援センター等にお問い合わせ下さい。
- ◎専門の相談者を見つける
- ケアマネージャー等専門の方に相談する。
また、精神科医を定期的に受診する等介護者自身のケアも大切です。一人で抱え込まず、地域(近所の方や民生委員、交番、町内会 等)の方と繋がりを持ち、介護していることを話しておくと、認知症を発症した場合等は特に徘徊などの場合でも助けてくれることもあります。
- ■まとめ
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介護の負担はとても大きいものです。家族を自宅で介護したいと思う気持ちは当然ですが、精神的、肉体的に追い詰められる前に、介護施設や老人ホームを検討するのも介護者にも要介護者にもお互いに良い方向に向かう事もあるでしょう。