No.67 介護保険の法改正の現状と課題
2000年に始まった介護保険ですが、3年に1度の改正で2018年に第7期の改正がありました。今回は、介護保険改正で何が変わったのか、また2019年現在の介護の現状と課題について考えていきましょう。
介護保険の目的
介護保険法が施行されましたが、その目的は、高齢になって心身の疾病により要介護状態になり介護が必要になった場合、尊厳を持ってその人らしく生活が出来るように支援を行います。
介護保険のしくみ
介護が必要になった場合に、社会全体で支える目的として出来た仕組みの「公的保険」です。保険の支払い義務のある方は、40歳以上64歳以下の方で「2号保険者」と言います。また、65歳以上の方を1号被保険者と言い、サービスを受けられるのは「1号・2号被保険者」となります。
尚、40歳〜64歳までの「2号被保険者」については、対象となる16項目の特定疾病者であることの条件があります。
2018年の介護保険改正で何が変わったのか?
第7期には大幅な改正がありました。何が変わったのか、下記に詳細を紹介しましょう。
【自立支援・介護度の重度化防止】
保険者である市町村が取り組むため制度化の重視
【介護医療院(介護医療院Ⅰ型とⅡ型)の創設】
看取りやターミナルケア、日常的な医学管理などの機能と生活施設を兼ね備えています。
【共生サービスの創設】
これまで障害サービスや障害者施設を利用していた方が65歳になると、介護サービスが必要になると介護サービス・障害サービスと両方のサービス、どちらも利用出来るようになりました。
【介護保険サービス利用者自己負担額が、所得に応じ1割〜3割負担へ変更に】
2割の自己負担をしてきた人のうち、特に所得が現役並みである340万円以上の方は、2017年に変更になり、自己負担が3割になり上限額は44,000円となりました。
【福祉用具サービスの適正価格の公表】
福祉用具レンタルや福祉用具貸与サービスを行っている事業者間の価格公表を適正化するため、全国平均価格を事業者は公表し提示するように義務付けされました。
【介護認定有効期限の変更】
要支援認定、要介護認定の有効期限がこれまでの24ヶ月から最大36ヶ月に変更になりました。尚、暫定措置として介護療養型医療施設の廃止が2018年までから2033年に延長になりました。
介護保険を取り巻く現状と課題
介護保険が始まって19年が経過しましたが、介護人材の不足問題に国の施策として、介護職員の「復職支援・処遇改善策・積極的に外国人介護職員の受け入れ」など行ってきましたが、急激な高齢化の進行や増加に対して解消するまでには至っていません。6年後に迫った2025年問題までに、介護の人手不足を補う国の新たな施策が望まれることでしょう。