No.25 介護現場でのプライバシーの重要性とは?
介護の現場でプライバシーの侵害については、とても繊細な問題です。個人保護法などで厳しく個人の情報開示が制限されています。
今回は、介護現場で重要となる個人のプライバシーについてまとめましたので、見ていきましょう。
どこまでがプライバシーの侵害?
結論からいえば、どの施設や事業所でも個人情報保護法・利用者のプライバシーに関する項目が倫理規定の中にあるため、それに沿った介護をすると良いでしょう。
しかし、該当しない事例も出てくることがあります。その場合、介護スタッフが話し合いを行いプライバシー問題について検討することが望ましいです。
さまざまな人がいますので、すべての人が気持ちよく利用できる介護現場を目指すことが大切です。
具体的なプライバシーの侵害の例は下記となります。
- オムツ交換や着衣交換の際に、ベット周りのカーテンを開けたままにしている。
- 入浴前後にストレッチャ上の利用者に着衣を着せずに体の一部だけバスタオルで隠して移動している。
- トイレ誘導時に介助の内容を周りにも聞こえるように声かけしている。
- トイレ介助時に入り口のドアやカーテンがなく、また排泄している姿が廊下などから他者に見える。
- 認知症や失語症の方のことを他の利用者に「あの人は、何も分からないから話しかけても無駄だよ」と話をしている。
- 利用者や家族のこと、家族構成・職歴・病歴などの情報を他の利用者に聞こえるように話をしている。
- 利用者の家族が病気になったり、亡くなった時に家族より本人には、知らせないで欲しいといわれたが「つい、うっかり」利用者にしゃべってしまった。
このように、プライバシーの侵害の例を見ると、プライバシー=「人としての常識」の範囲といえますし、とくに介護の現場では人間性が重要といえるのではないでしょうか。
介護福祉士が守るべき守秘義務とは?
介護福祉士には「守秘義務」があります。介護の現場で働く上で、その業務に関して知り得た利用者の個人情報などの秘密は他人に漏らしてはいけません。利用者のプライベートの情報を他の利用者に本人の許可なく話してはいけないこと=「秘密保持義務」といいます。
介護福祉士の守秘義務違反の罰則とは?
介護福祉士法では守秘義務違反に違反した場合は、「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられます。
何気なく他者に話したことが「守秘義務違反」になっているということもありますので介護のプロとして、守秘義務の内容を理解して言動に気をつけましょう。
- ■まとめ
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人と人との関わり合いの中で、守秘義務とプライバシーの問題は守らなければいけない大切なことです。もし、自分や家族が将来介護を必要になった際に気持ちよく介護施設などを利用できるためにも、人と人との関係性を大切にできる場を提供していくことが必要です。