No.195 介護士であれば知っておきたい利用者のプライバシー保護
利用者の情報は、2005年に施行となった個人情報保護法、2004年に規定した「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」に基づいて適切な管理・使用が必要になります。
今回は、介護士であれば知っておきたい利用者のプライバシー保護をご紹介します。
介護士が守るべき守秘義務とは
介護士である以上、利用者のケアを行い会話の中でも、プライベートの情報などを知ることもあることでしょう。その情報を他の入居者に本人の許可なく話す行為は守秘義務に違反する行為です。
介護福祉士法では、守秘義務違反は1年以下の懲役又は30万円以下の罰金を科すとしています。複数の入居者との会話の中で、何気なく話した内容が守秘義務違反になることもありますので、十分に注意しながら入居者とのコミュニケーションを図っていきましょう。
特にデリケートな部分は配慮すべし
介護現場では、入居者の排せつや入浴などデリケートな部分も介護職員が手伝うことになるでしょう。
肌を人前で露出することは、だれであっても恥ずかしいことだと考えましょう。そのため排せつや入浴の際に、他の入居者に聞こえるような大きな声で声掛けを行う行為や、目隠しなどをせずに肌を露出させることは、プライバシーを侵害する行為につながると認識するのが必要です。
利用者が複数人、同じ部屋のときは注意すべし
利用者が生活するスペースは全室個室という場合もあれば、複数の入居者が同じ部屋で生活する多床室の場合もあります。
多床室の場合は介護職員との会話が他の利用者の耳にも入りやすいですし、介助を行う時にはカーテンで目隠しをしておかなければ目にも触れやすいです。また、排せつに失敗した場合など、臭いなどが伝わりやすいこともあるでしょう。そのため入居者が安心して介護施設で生活するためにも、それぞれのプライバシーが保護されるような体制や工夫が必要となります。
一方で、多床室は介護職員が1度の巡回で複数の入居者の状態確認を可能とするため、結果として手厚い介護につながりやすい点はメリットになることでしょう。
入居者が過ごす部屋を全室個室にしたとしても、基本的に共同生活の場であることに変わりないため、食事スペースや談話室など共有スペースで過ごす時やレクレーションの場では入居者ごとのプライベートに配慮した対応が必要となります。