No.131 介護士に関わる様々なニュースの活かし方
介護士の世界においてもニュースの果たす役割は大変大きなものです。そのニュースが伝える情報を知って働くことはとても重要なことです。今回は介護士に関わるニュースと、それをどう活かしていくかについて紹介していきたいと思います。
介護制度の改正ニュース
厚生労働省から、この2021年度介護報酬改定の解釈通知が発表されました。事業所の各サービス提供の基本報酬や加算の算定原則や、または運営基準の見直しについてより具体的な説明を加えています。介護に携わる施設や事業所が知っておくべき重要な通知で日々の仕事にも大きな影響を与える内容です。
所轄省庁の介護保険最新情報のVOL.934に詳細に書かれている内容は多岐に渡りますが、例えば感染症について。新たに義務化される業務継続計画(BCP)策定の注意点が示された他に、委員会・シミュレーションを実施する頻度なども制定されています。義務化には3年間の経過的措置が決められていて、来年度からは努力義務が求められます。
省庁は科学的介護推進体制加算(加算)の算定にあたり、サービス利用者の自立支援・重度化防止を目指したサービス計画を作成するよう要請しています。LIFE(データベース)からのフィードバックを使用してPDCAサイクルを回して、計画を更新していくよう求めています。今後更に詳しく解説するQ&Aなども発表する予定です。
介護士耳よりニュース
介護事業者には事業運営を出来るだけ効率的に進めていくための体制作りが求められています。見方や考え方を変えて新しい方法を導入して試みることも必要でしょう。1人にかかる負荷を減らし、効果的な働き方を取り入れることが重要です。
介護士を志す方へのニュース
Society 5.0を聞いたことがあるでしょうか。この言葉は、政府が推奨する未来社会の生活様式で情報社会の次に到来する「経済発展と社会的課題を両立する、人間中心の社会」を目指すことをコンセプトとしています。
このSociety 5.0で医療介護はどう変わっていくのでしょう。大まかなものですが、いくつか挙げてみます。
まず遠隔診療というものです。これは、家にいながらテレビ電話などで電子カルテを参照した医師から本格的な診療を受けられることが可能となります。
次に期待されているのが介護ロボットです。抱え上げるときのパワー補助など、介護ヘルパーを手助けするお助けロボットが普及します。
Society 5.0では、現在介護施設でも見守りシステムが普及しており、介護施設のみならず、一般的な家庭で生活する高齢者も対象にした見守りサービスにより、家族や訪問介護事業所の介護担当者が様々な進化したツールで要介護者の様子を簡単に見守られることが可能になるでしょう。
要介護者と介護士の人間的な繋がりや信頼関係にとって代わることはないでしょうが、時代がAIやビッグデータなどを含むSociety 5.0のツールや知識体系の情報を使用して、新しい介護世界を創出することは考えられることとして念頭に置いておいた方が良いでしょう。
- ■まとめ
- 介護士に関わるニュースの中で制度が採用された意図というものを良く読み取り、この国が目指す介護の形というものを理解しなければなりません。また、技術面においても最新のツールを使いこなし業務効率化することで、それぞれの負担も軽減されることでしょう。常に新しいことに対しアンテナを張り巡らすことは、より良い介護、より良い社会に向かう第1歩だと言えるでしょう。