No.98 介護の様々な問題点
人生100年時代と言われていますが、定年して残りの人生を寝たきりになることなく健康で生きたいと誰もが望んでいることでしょう。しかし、突然、病気などで介護が必要になった場合に配偶者や家族の人は介護を強いられることになります。今回は、在宅介護での問題点について考えてみたいと思います。
介護の問題点
現在の日本では、核家族が進み子供が独立して遠方に住んでいたり、ほとんどが夫婦のみの世帯や単身世帯が増えて家族の介護力低下や弱体化に繋がっています。
在宅介護においての問題点を下記に紹介しましょう。
- ○問題点1「老老介護」
- 夫婦などが65歳以上で、同じ65歳以上の要介護者を介護している状態のことを言います。 例えば「65歳以上の子供が高齢の父母を介護する」または「高齢の妻や夫が介護をしている」などのケースもあります。
- ○問題点2「認認介護」
- 老老介護の状態で、同じく認知症の要介護者を認知症の方が介護していることを言います。
介護している介護者は、認知症であることを認識していないことが多くあります。
- ○問題点3「高齢者の1人暮らし」
- 特に都会においては、核家族が進み家族の形態が変わり子供たちが独立し近くに住まず、更に地域との繋がりも疎遠になり、引きこもり状態の1人暮らしの高齢者が増えてきました。
- ○問題点4「介護難民」
- 厚生労働省の推計では、2025年度には全国で約43万人が介護難民になると言われています。要介護者で在宅での介護が困難であるにも関わらず施設入所が出来ないまたは、在宅においても適切な介護サービスが受けられない状態の方を言います。
- ○問題点5「介護うつの精神的問題」
- 介護はいつまで続くか分からないという不安があり、外出もままならないことで、精神的・肉体的・経済的にも、長期になればなるほどその不安は増すばかりです。そのような状態が長く続くことで「介護うつ」になることが問題になっています。在宅では、介護保険サービスを上手く利用することで、介護者の負担軽減をすることも重要となってきます。
介護の問題点を解消するための方法
高齢者になると、外出する機会が減り地域との繋がりが少なくなるものです。いざという時のために、地域との連携や繋がりを持つことも大切なことです。介護する上で1人で抱え込まず、家族みんなが協力分担し合い介護をすることで負担軽減に繋がります。
しかし、在宅で介護や色々な介護保険サービスを利用していても、介護の重度化により在宅での介護に限界を感じたら、市町村の介護窓口や地域包括支援センター、ケアマネージャーなどに相談をして、施設サービスなどを検討することも重要となってきます。
- ■まとめ
- 介護の問題点は様々ですが、今回見てきた介護を取り巻く問題点は、在宅介護においては特に介護者を始め家族だけの問題ではありません。行政や介護の専門職に相談や助言を貰うことも重要だと思います。