No.69 介護寝たきり度=日常生活自立度
高齢の方全てではありませんが、中には障害や認知症を患う方もいらっしゃることでしょう。日常生活を送ることが出来るか否かのレベルの判断基準となるのが、介護寝たきり度、いわゆる日常生活自立度と呼ばれています。
今回はどのような基準で、日常生活自立度が決められていくかを紹介しましょう。
日常生活自立度って何?
介護寝たきり度とも呼ばれますが、日常生活自立度の別の言い方ですので、ここでは後者の表現を使わせていただきます。まずは介護保険の申請をする際、自立生活が出来るか否かを見極めるための基準として使っています。
自治体の担当者が訪問される際、高齢の方とのモニタリングを行った後にレベル付けを行ってからコンピュータによる一次審査を経て、主治医に「主治医意見書」の作成をお願いしたのちに二次審査を行います。これらの結果を基に最終的な決定事項が下されるわけです。
障がいのある高齢者の方は大まかに4ランク、認知症と認められた場合の高齢者に関しては7ランクと区分されていますが、今回は前者について触れ、日常生活自立度ランクで前述した決定事項を踏まえて、その判断結果の紹介をしましょう。
ランクJ=生活自立
何らかの障害だけ有している程度ですが、それを差し引いても普段の生活には何ら影響すらないと判断できるので、日常生活に関しては問題ありません。なお、行動と状況については以下の通りとなっています。
◎行動と状況
J1とJ2レベルがあり、前者は公共交通機関を使ってお出かけしたり旅行したりすることができるレベルで、後者は隣近所にある店や顔見知りのところへ外出しても差し支えすらないレベルとなっています。つまり、普段通りの生活を送ることができると判断できるからです。
ランクA=準寝たきり
このレベルであると判断された場合、家庭内での行動に関しては何ら問題すらないものの、外出などをする際には介助者の協力が必要となるレベルです。介助者との関係は家の外だけで、家庭内は自分で行動ができるということです。しかし、家族との協力は大事ですので、サポート面では必要です。
◎A1レベル
外出は介助者の協力が必要ですが、家庭内の生活はベッドから離れているため、自分で動けると判断でき、家事手伝いなどを中心に自分で可能ということになります。家の掃除や庭いじり、花壇に水をやったりという行動なら問題はありませんが、ペットの散歩は介助者同伴をお願いするか、家族の方に託すかのいずれかでしょう。
◎A2レベル
前述のA1と比べ外出する機会は少ないものの、ベッドにいる時間は夜の就寝時間を除いては昼寝程度にとどまり、家庭内を動く機会が多いということです。
以上、準寝たきり(ランクA)でした。
ランクB
ここからは寝たきり生活となりますが、状態によって異なるためランクBと後述するランクCに分けて紹介しましょう。前述のランクJとAは車いすを必要としませんが、ここからは車いすは欠かせない状態でのランクとなっています。
では、ランクBから説明しましょう。
ランクBに関しては、基本的にはベッドの上で生活しますが、着替えや食事などに関してはベッドの上から離れて行動すると思ってください。
◎ランクB1
ベッドから車いすへの乗り降りに関しては、介助者を協力せず自力で対応できるレベルです。食事やトイレ、座位の保持などを自力で行いますので、介助者の出る幕は基本的に外出する際の車いすを押したり車に乗せたりする場合のサポートなどといったところでしょう。
◎ランクB2
ランクB1とは対照的に、ほとんどのことは介助者の方のサポートが必要なレベルとなっています。しかし、トイレや食事などに関してはB1同様ベッドから離れて行いますので、寝たきりといってもある程度の行動はベッドから離れて行うレベルであることが、ランクBです。
ランクC
このレベルではベッドから離れて行動することが難しい、いわば寝たきりと認定されたレベルとなっています。ここでも2レベルに区分されていますが、寝返りができるか否かによって分けられています。では、ランクC1から説明していきましょう。
◎ランクC1
生活そのものはベッドの上で行いますが、自分で寝返りが打てると判断した場合がこのレベルです。しかし、食事やトイレ、着替えなどといったことに関しては介助者の協力なくしてはできないのが現状です。
◎ランクC2
対照的に、自分で寝返りができなくなった状態のレベルがこちらです。寝返りをうちたくても、体がいうことを聞かなくなってしまった場合がこのランクです。こちらもトイレや食事などに関しては前述のランクC1と同様です。
以上、障がいのある方における日常生活自立度のランクについて紹介しました。
- ■まとめ
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以上、介護と寝たきり度について紹介してまいりましたが、今回は障がいのある高齢者の方に関して取り上げましたが、寝たきり度(日常生活自立度)の結果を良い方向へと導くためには、調査員の方とコミュニケーションをとることが大事です。