No.58 認知症介護のわがままに対する対応
突然、家族が認知症と分かったら、本人はもとより周りの家族も戸惑うことでしょう。
これから認知症状特有のいろいろな問題・BPSD(周辺症状)が出てきます。
今回は、認知症が原因で起こる症状や「わがまま」な言動や行動について考察していきましょう。
中核症状とBPSD(周辺症状)と行動・心理症状とは?
認知症を詳しく知る上で、大きく分けて中核症状とBPSD(周辺症状)を理解することが重要です。下記で紹介しましょう。
◎中核症状
- 記憶障害
- 直前に起きた出来事を忘れる
- 出来事自体の記憶がすっぽり抜ける
- 判断力の低下
- 問題解決能力の低下
- ものごとを実行したり行動できない実行機能の低下
- 季節や今いる場所、時間が分からなくなる見当識障害
- 失認、失行、失言など
◎BPSD(周辺症状)
前までは周辺症状とよばれていましたが、最近では「BPSD」と名称が変わりました。
認知症の症状で一番大変な時期で、症状の出方も個人差があり、さまざまな症状があります。では、BPSDの症状とはどの様なものでしょうか、下記で紹介しましょう。
- 暴言や暴力
- 興奮
- 抑うつ
- せん妄
- 徘徊
- 幻覚
- 昼夜逆転
- 不眠
- もの取られ妄想
- ろう便
- 失禁
認知症の対応で大切な心掛け
中核症状に比べて、BPSD(周辺症状)は様々な問題が出現し、家族や介護者にとっても戸惑うことが多く、「わがままが多くなった」と感じる時期でもあります。
一見「わがまま」に捉えがちですが、認知症になった本人も混乱していることが多いです。上手く対応することで、認知症である本人も安心して過ごせることが多いため、その対応法を考えてみましょう。
- 認知症本人の言うことに対して否定しない(否定することで本人は混乱をする)
- 不安になるような言動は控える
- 「ありがとう」「上手いですね」「良かったですね」などの感謝の気持ちで褒める
- 「そうなんですね」「大変ですね」「良かったですね」などと共感する
- 「今日は、楽しかった?」「ご飯は美味しかった」と同情する
- ■まとめ
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認知症の症状が進行するにつれて様々な症状から、家族は戸惑いや困惑などしてしまいます。(BPSD)の症状が原因で、以前では考えられなかった行動や言動・暴言などや無理な要求が家族にとっては、「わがまま」と捉えがちです。
認知症のわがままに対して、家族や周りの人が本人に合った対応を取り、何よりも大切なことは、認知症の病気や症状をよく理解して、認知症を受け止めていくことが重要でしょう。