No.54 介護保険の在宅サービスのいろいろ 〜訪問介護編〜
介護保険には、さまざまサービスがありますが、多すぎてあまり理解できていない方がほとんどです。介護保険サービスを利用する際には、利用者自身に合ったサービスを利用するために事前にサービスの内容を理解しておく必要があります。
今回は、自宅で利用できる訪問介護サービスとその他のサービスについて解説しましょう。
在宅サービスとは?
介護保険のサービスには、大きく分けて「在宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」があります。その中でも一番利用されているのが、在宅サービスの中でも訪問介護です。
訪問介護サービスとは?
訪問介護には2種類あります。
⊚生活援助
高齢が原因などで身の回りのことができない方に対して、介護士が自宅を訪問して、掃除・洗濯・部屋のかたづけや整理整頓・日用品などの買い物、食事の調理、配膳などをおこなう生活援助。
⊚身体介護
寝たきり状態にある方のオムツ交換・床ずれ(褥瘡)予防の体位変換・移乗介助・食事介助・清拭介助などの身体介護。
■在宅サービスを利用するためにはどうすればいいの?
在宅サービスを利用するためには、まず各市町村の介護保険窓口で申請をおこない、その後、介護認定調査員が自宅を訪れ調査をおこないます。その調査証をもとに、医師の意見書と加味して、介護認定審査会で介護が必要かどうか、審査がおこなわれます。
それによって、該当するのか介護度が決定します。介護度によって、サービスの回数や種類が決まってきます。介護度が決まると、介護支援専門員がケアプランを立案することで、在宅サービス利用が可能となります。
その他の在宅サービス
⊚自宅で受けられるサービス
①訪問入浴介護サービス
②訪問看護サービス
③訪問リハビリテーション
④居宅療養管理指導
⊚自宅から通いながら受けるサービス
①通所サービス(デイサービス)
②通所リハビリテーション(デイケア)
③短期入所生活介護(ショートステイ・特養など)
④短期入所療養介護(ショートステイ・老健・病院など)
⑤福祉用具貸与
⑥特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム)
訪問介護の経験談
私は3ヶ月の短期間ですが、訪問介護をしたことがあります。事業所には、男性が私1人であとは女性でした。はじめての男性のヘルパー採用で珍しいとのことでした。施設介護での経験があったため、身体介護は慣れていましたが、料理はあまり得意でなかったので多少苦戦しました。
訪問介護の仕事はほとんどの場合、生活援助ですと1時間のサービス時間の中で料理、配膳、洗濯、掃除、入浴の見守りなど。身体介助ですと、着替えの介助・清拭・食事介助・排泄介助などをして最後に記録して終了となります。最初の頃は、次の利用者の時間も決まっていて時間との勝負でしたが、慣れてくると時間に余裕ができ、利用者と記録をしながら会話をするようになりました。施設介護とは違った充実感があり、とてもいい経験になりました。
- ■まとめ
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高齢や何らかの原因で介護が必要になった場合、住み慣れた自宅や地域で暮らしながら介護を受けたいと願うのは誰しも同じでしょう。在宅でサービスを利用することで、自分らしく生きがいを持つことで、自立した生活につながることが、介護保険がめざす本来の目的です。