No.50 介護施設や自宅での訪問ヘアカットサービス
いくつになっても身だしなみは、大切なことです。在宅や施設で外出が困難な高齢者にとって、自宅や施設を訪問して散髪をしてくれるサービスは、利用する高齢者にとっては、とても嬉しいことです。今回は、要介護の自宅や施設を訪問して行われる、ヘアカットのサービスについて考察しましょう。
ヘアカットサービスは介護保険の対象外
現在の介護保険では、散髪は介護保険の対象外です。また施設から散髪に行くための交通費も認められていません。また訪問介護でも、理美容は認めておらず算定時間に含まれません。そこで、ほとんどの施設では、外部からの理容師・美容師が訪問して、有料で散髪を行っています。
ちなみに、施設職員が理美容師の免許を持たずに散髪することはできません。介護職員が看護師免許を持たずに、医療行為をするのと一緒ですよね。
自宅や施設での理容・美容サービスは需要が高い
これまでの調査結果では理容、美容サービスを利用したことがあるか?という質問に対して、下記のような回答結果が出ています。
- 自宅(居宅)では8割弱
- 施設では9割強
私の体験談
私の勤めている介護施設でも理美容室があって、週に2回理美容師さんが訪問ヘアカット に来ていました。カット料金は、一律1,000円と手ごろな金額でした。週に2回の入浴日に合わせて、ヘアカットをしたのち入浴をしていました。利用者はとても散髪を心待ちにしていて、「今度、散髪屋さんが来るのはいつ?」と何度も介護職員に聞いていました。
散髪は、介護サービスには含まれず自費負担ですが、利用者にとってはとても好評で、特に盆や正月前になると希望者が殺到して、理美容師さんにお願いして週3回お願いしたぐらいです。高齢者になって年を重ねても、身だしなみは大切なことなのですね。
ましてや、施設にいるとなかなか外出する機会もないので、施設で散髪ができることは、利用者にとって心身をリフレッシュするばかりでなく表情も明るくなります。
また、散髪をした後、利用者さんに「とてもお似合いですよ」「さっぱりしていいですね」と声かけすると、照れ笑いしながらニコッとして嬉しい表情をしていました。
- ■まとめ
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高齢の方で、ヘアカットなどの身だしなみが気になるが、身体機能の低下や認知症を患っていることが原因で外出が困難な場合が多く、なかなか散髪に行くことができない要介護者にとって、自宅や施設を訪問して散髪をしてもらえることは、とても良いサービスだと思います。髪を切ることで、自宅や施設での日々の生活に潤いを与え、変化をもたらしてくれるでしょう。