No.42 介護業界と労働組合の現状
高齢化社会が進む我が国は介護の分野において、今後ますます人材の需要が増えることでしょう。大企業などでは、当たり前のように労働組合がありますが、介護業界ではどうでしょうか?今回は、介護業界における労働組合について考察しましょう。
労働組合とは何?
例えば、介護事業所に勤めていて、労働条件・労働時間・休日・休憩時間などの職場環境や、賃金・手当などの処遇改善、その他会社の就業規則等で疑問に思うことや改善して欲しいことがあった場合、一人で介護事業所に交渉をしようと思っても、なかなかうまく取り合ってもらえないことが想定できます。
しかし、同じ不満や考えを持った人が団体で交渉すると、介護事業所も交渉に乗って解決のための検討をしてもらえるのではないでしょうか。労働組合は、一人で出来ないことを団体で交渉を行うための組織と言えます。
労働組合のメリット
- 介護事業者に組合員の意見を集約して言い易くなる。
- 例えば、リストラなど不当な解雇に組合員として抗議できる。
- 労働者が結束することで事業者の不当な行為を防ぐことができる。
- 労働組合と介護事業所の争いを話し合いで未然に防ぐことができる。
労働組合は介護事業所にもメリットがある
- 組合員の生の声を聞くことで、「不満・改善して欲しい」などの意見を聞くことができ、健全で効率的な経営運営の参考になり、社内のモラルもよくなる。
- 組合員の声を聞くことで、企業の活力やモチベーションアップにつながる。
- 介護事業所が苦境に立っているときには、組合員同士(従業員)が結束して連帯感が生まれ、介護事業所の苦境を乗り越えられる力となる
ほとんどの介護事業所では、労働組合がないのが現実
労働組合はほとんどが、大企業で組織として存在します。介護事業所では、残念ながら小規模が多く労働組合がないのが現状です。
上記で述べたように、労働組合があることで介護職員が日頃、介護事業所に対して不満に思っていることや、改善して欲しいことを職員全員の意見として集約して、訴えたり交渉したりできます。
労働組合がない介護事業所では、どうすればよいのでしょうか?
全国組織の介護従事者の労働組合がありますので、インターネットで検索して加入するとよいでしょう。
- ■まとめ
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介護業界における労働組合について考察してきましたが、介護大手の企業は別にして、ほとんどが個人経営で行っている小規模事業所が多く、労働組合を結成しようと思ってもできないのが現状です。
もしも、不当な扱いを受けた場合、小さな法人であっても介護職員の権利は法律で守られています。また大きな法人の場合は、一職員でなく皆の意見や要望を集約して、交渉に臨むとよいでしょう。