No.32 老老介護から考える介護の問題点
現在の日本の状況をみてみると、少子高齢化が進み家族構成も核家族で子供も遠方に住んでいるケースがあり、高齢者のみの世帯が、ここ30年以上増え続けています。
今回は、高齢者のみの世帯を取り巻くさまざまな問題を解説してみましょう。
老老介護問題
高齢者世帯が増えてきていますが、65歳以上の高齢者のいる要介護世帯をみた場合、実に50%以上が主介護者であり、75歳以上の後期高齢者、要介護者世帯をみても30%以上が同じ75歳以上の主介護者です。
認認介護問題
認知症が原因で要介護になることが多く、老老介護をしている高齢者世帯でも、どちらかが認知症を患っている世帯が約1割いることが推測されています。
社会との孤立問題
自宅で介護をしていると外出する機会が少なくなり、閉じこもりがちになり地域などとのつながりが少なくなってきます。また外出しないことで、自宅のみの生活で筋力が低下したり身体機能が衰えてきます。
自宅だけの生活で趣味などや、余暇活動をする余裕や気力がなくなり、介護疲れから精神的に追い込まれてしまい、介護うつや認知症を発症するリスクがあります。
高齢者世帯のリスク
◎体調管理ができない
高齢になると体の体温調節機能が低下して、暑さ、寒さの感覚が鈍くなり冬は、風邪を引きやすくなったり、夏は熱中症になる恐れがあります。乾燥時には、喉の渇きをうるおしたり適宜な水分補給ができなくて脱水症になりやすくなります。
◎栄養不足になりやすい
自分が好きな食べものや同じ食事だけ食べて栄養が偏ったりすることがあります。
◎薬の管理ができない
薬を飲み忘れたり、飲み間違えたりすることが多くなります。飲み間違いすることで命に関わるリスクがあります。
◎火の始末ができなくなる
料理をする際、火をつけていることを忘れて、消し忘れてしまうことが多くなると火事になるリスクがあります。
◎体調が悪くなった時の対応ができない
自宅での介護で要介護者や主介護者などが体調不良や緊急時の対応(救急者を呼ぶ)などや災害時の対応が分からなかったり、また、パニックに陥ってしまい混乱してしまうことが考えられます。
老老介護や認認介護世帯では、お互いに高齢者のため介護負担、例えば、精神的、肉体的な理由で共倒れするリスクをはらんでいます。そういう事態にならないように、地域の人との関りを持っていくことが大切です。また、介護で困った時には、行政などに相談することも一方でしょう。
- ■まとめ
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老老介護は、年々増加していて、現代の日本が抱える重要な問題といえるでしょう。要介護にならないように、日頃から健康増進を心がけて、地域とも関りを持っていくことが大切です。認知症対策は地域の人々全員が、認知症高齢者を見守っていく社会作りが求められています。