No.26 介護現場でみる臥床時の体位について
臥床とは、ベッドなどに寝た状態をいいます。また、その寝た際の姿勢(ポジショニング)のことを「臥位」といい、どちらも医療現場や介護現場ではよく使われている専門用語です。
今回は「臥床」と、関係の深い「側臥位」について解説していきます。
介護現場での臥床の場面
介護現場では、1日に何度かベッドから起こしたり(離床介助)または、ベッドに寝かしたり(臥床介助)をする機会があります。その寝た状態を「臥床」といいます。
その一連の介助の中で、例えば、パジャマからの着替えと洗面ケア・食事への移動のための起床介助があります。夜は、ベッドに臥床させてパジャマに着替える就寝介助があります。
介護にとって臥床時の臥位(ポジショニング)は、とても大事
寝たきり状態の方に限らず、自分で体位交換ができる方でも同じ姿勢のまま寝ていると腰痛の原因になったり、最悪の場合には褥瘡になるリスクさえあります。
それを予防するためにも、「より良い臥位」は重要になってきます。
自力で寝がえりができないのでしたら、定時の体位交換は必要不可欠です。例えば、褥瘡の方でしたら臥位の角度も変わってきます。
主に臥位には下記の種類があるため、参考にしてください。
- 仰臥位・背臥位
お腹・顔を上に向けて仰向けの状態で下肢を伸展した臥床姿勢です。 - 腹臥位
うつぶせでお腹を下にして寝る姿勢です。下肢や上肢のどちらかを曲げて寝ることでリラックスした姿勢となります。 - 側臥位
横向きに寝た姿勢です。真横になる場合は、不安定になることが多く、腕が圧迫されたりするので上肢を前に引き出して除圧を行う。また、不安定のため背部にクッションなどを添えるといいでしょう。 - 判側臥位
横向きに寝た状態で体幹の傾斜角度は45°前後の臥床姿勢です。半側臥位は褥瘡予防・褥瘡者の背部・仙骨部などの除圧のための姿勢として枕やクションなどを用いて行う。 - 背殿位
腹部の緊張をとり、腰痛予防に有効であり仰向けに膝を立てた状態で臥床する姿勢です。 - 半腹臥位
横向きの状態で抱き枕に覆いかぶさる格好で寝る姿勢です。休息するには最も楽な姿勢です。 - 屈強側臥位
通常の安静で自然な姿勢です。海老のように体を丸めて休む臥位姿勢です。
長く臥床状態にあることでの弊害
病気や骨折・ケガなどで長期安静のため寝たきり状態になることで、いろいろな機能に弊害を及ぼします。認知機能の低下が進行に伴い「認知症」や「生活不活性病」の発症を招く恐れもあります。
一般の健康な方でも同じように、病気やケガなどで数日寝たきりになると全身の筋力をはじめ体力の低下がみられます。
とくに高齢者にとっては、一般の人に比べて機能低下の進行は早いことが問題でしょう。
予防として病院や、介護施設では早期にベッド上でのリハビリなど早めの離床を促して寝たきりや機能低下予防に努めています。
- ■まとめ
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いかがでしたか? 介護の現場で臥床介助の場面は多くあります。その際のポジショニングも寝たきり状態の人や、とくに褥瘡のある利用者の離床介助はとても大事な技術です。
「臥位姿勢」をよく理解した上でその人に合ったポジショニングを心がけましょう。介護職として力を発揮できる転職先をお探しの際には、ケアジョブがお手伝いさせていただきます。お気軽にご相談ください。