No.168 介護士からのキャリアアップ
広い意味でつかわれる介護士とは、介護の職に就いている人全般を指す場合が多いようです。いわゆる総称みたいなものですが「士」という言葉が付く関係から何かの資格保持者などと混同されがちですが、特別な資格を保持しているものではありません。今回は、この介護士からのキャリアアップについて見てまいりましょう。
介護士から介護福祉士へと
介護士という資格がない事は先に述べた通りです。しかし、介護の仕事についている方はこの名前で呼ばれることが多いのも事実です。介護従事者を総称して呼ぶのであれば「介護職」という言葉が適している言葉かも知れません。
今後、介護の仕事に就くか、既に介護の仕事を選択なさっているならキャリアアップを考える事はごく自然な流れです。介護士からのキャリアアップには「介護福祉士」の資格を取得する事が基本的な目的となります。介護福祉士は名称独占資格と呼ばれる介護福祉士国家試験に合格した人だけが名乗る事の出来る資格です。
大きな流れとしては初任者研修を終了したのち実務者研修、その後、介護福祉士という流れが一般的です。その取り方も実務経験を経たのちの受験と、福祉系高等学校卒業などによる受験などが殆どです。
キャリアアップという意味においては、 実務をこなしながらステップアップという方が大半ではないでしょうか。その利点としては勤め先によって研修費用などをその後も務めることなどを条件に負担して頂けるような所もあり、財政的に助かります。
- 〇初任者研修に必要な条件:期間は2週間~3ヶ月、費用は3万円~10万円
- 介護職として働く上での基本を学習する研修です。
- 〇実務者研修に必要な条件:期間6ヶ月~1年、費用8万~20万円
- 介護職員としてより実践的な知識や技術を研修するものです。
- 〇介護福祉士に必要な条件:期間3年以上、費用10万~22万円
- 介護職の中で唯一の国家資格です、今までの研修とは違い介護の専門的な知識や技能を習得している事を証明する資格です。
この様に幾つかのステップを上げることにより介護福祉士への道は続くのです。
介護福祉士は唯一国の認めた国家資格です。この資格は福祉系資格の中で実際において介護を提供するために必要なもの全て、すなわち知識や技術を修得しているという事を証明するただ一つの国家資格となります。
また、資格を取得する事により金銭面でも、給与という形で無資格者よりも優遇されることは勿論です。厚生労働省調べの「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」から見ると
- 〇保有資格なし:275,920円
- 〇保有資格あり:318,150円
- 〇介護職員初任者研修:301,210円
- 〇実務者研修:303,230円
- 〇介護福祉士:329,250円
という結果になります。
キャリアアップする理由
介護の仕事に就いたのであれば、昇給や役職などすべて資格があるかないかが大前提になります。介護士からのステップアップと言えばほぼ間違いなく介護福祉士を目指す事になりますが、上記に纏めたように給与面でも大きく変わる事が期待できます。
また、職場でも現場の仕事だけでなくマネージメントと言った仕事や、後輩・同僚への指導や教育といったことに携わる場面も多くなることが予想されます。仕事に対する責務や達成感といったものも感じる事が出来るでしょう。
- ■まとめ
- 介護の世界を選択した以上、どの様なスタートであったかよりもそのゴールをしっかりと見据える事です。どの職種にでもいえる事ですが、しっかりした目標を持つことは業務の上でも大事です、キャリアアップするためには現状をいかに過ごすかではないでしょうか。