No.146 介護士にできることは?~新たな制度実施で変わる働き方~
新型コロナウイルスの影響で新たな制度も取り入れられた今、資格がない介護士はどこまでサポートできるのか?医療の面で介護士にできることとできないこととは?現役介護士はもちろん、これから介護士を目指す方へもその働き方を分かりやすく解説します。
介護士とはどんな仕事?
介護士とは、介護を必要とする方の生活をサポートするお仕事です。働く場所は様々で介護を必要とする方が入所・通所している施設や、介護を必要とする方の自宅を訪問しお仕事をする場合もあります。
新たな制度実施で変わる働き方
介護を必要とする方の自宅に伺い、体に直接触れて介護する場合は「介護職員初任者研修」という資格がないと行えません。介護する場所が自宅ではなく、施設の場合は資格を持っていなくても介護を必要とする方の体に直接触れながら介護をすることができます。
2020年新型コロナウイルスの影響により、厚生労働省が新たな制度を実施しました。これにより「介護職員初任者研修」の資格を持った介護士が不足している場合は、介護のお仕事の経験者であれば資格を持っていなくても体に直接触れる介護ができるようになりました。
また掃除や洗濯、料理など介護を必要とする方の体に直接触れない介護のお仕事は、自宅に伺う介護と施設での介護どちらの場合も資格がなくてもお仕事をすることができます。
介護士にできることとできないこと
介護を必要とする方の体調が良くない時、介護士は医療の面でのサポートをすることは基本的にできません。介護士にできることは以下のものです。
- 掃除、洗濯、料理などの家事全般
- 食事、入浴、排泄などのサポート
- 体温計を使用した体温測定
- 自動血圧測定器を使用した血圧測定
- 擦り傷、火傷など軽い怪我の処置
- 薬の服用のサポート
- 湿布貼り、軟膏塗布のサポート
- 目薬をさす
- 酸素濃度測定器の装着
- 座薬を入れる
- 鼻の粘膜へ薬を吹きかける時のサポート
法律では医療的ケアとされていますが、介護を必要とする方に異常がなければ介護士が行っても良いものが以下のものになります。ただし、本人・ご家族の方の同意や医師・看護師の方からの指示が必要になりますのでよく確認してから行いましょう。
- 耳かき(耳垢が固まり、耳の穴が塞がっている場合は行うことができません)
- 爪切り、爪やすり
- 食事等で汚れたお口を歯ブラシや綿棒を使用してケアする
- 市販の浣腸器を使用した浣腸
- ストーマのパウチに溜まっている排泄物の破棄
(ストーマとは、腸や尿管をお腹の外に出して作った人工肛門・人工膀胱のことです。パウチはストーマに着いている排泄物が溜まる袋のことです) - 排尿するために尿道に入れる管(カテーテル)の準備、体を支えるサポート
介護士にできないことは以下のものです。
- 床ずれの処置
- 点滴の管理
- 血糖測定
- インスリン注射
- 摘便
- ■まとめ
- 今回は、介護士にできることとできないことを紹介させていただきました。資格がなくても介護士として働けますが、常に正しい知識と判断が必要です。介護士としてできることを見極めながら介護を必要とする方をサポートすることが大切です。