No.130 リハビリを担当する理学療法士とその他の介護士介護職の違い
介護の現場では、様々な肩書を持った人が協力して働いています。今回は、利用者のリハビリをサポートする理学療法士とその他の介護士(介護職)の違いを解説します。
介護士と理学療法士の違い
共に介護現場で働く介護士と理学療法士には、どのような違いがあるのでしょうか?
お仕事内容の違い、資格の違いなどを見て行きましょう。
〇介護士のお仕事
介護士のお仕事は大きく分けて、身体介護と生活援助に分けられます。
身体介護利用者の方の身体に触れるお仕事全般を指します。髪の毛や体を洗う入浴介助、トイレでの排泄をサポートし、おむつを取り替える排泄介助、ベッドと車椅子の間の移動をサポートする移乗介助、その他食事をサポートする食事介助、衣服の着替えをサポートする行為介助などがあります。
生活援助利用者さんの為の掃除、洗濯、調理など、身体に直接触れないサポートの事を指して生活援助と言います。
- 〇理学療法士のお仕事
- 理学療法士の主なお仕事は、利用者さんの運動をサポートしたり、マッサージをしたり、電気刺激を用いるなどして、疾病やケガをした方の基本的な動作能力の回復を図る事です。
理学療法を必要とする利用者さんは、脳卒中、骨折、脊髄損傷、変形性関節症などを患い、思うように体を動かせないでいる人たちです。理学療法士は専門的なスキルと知識を活かして、その人たちをサポートします。
介護士と理学療法士では、資格自体が異なっています。
介護職には実に様々な種類の資格があります。順番に見て行きましょう。
- 〇介護職員初任者研修
- 介護の基礎的な知識とスキルがあることを証明できる、いわば介護職の入門資格です。
初任者研修資格取得には、実際にスクールに通う事、修了試験に合格する事が必要です。
- 〇介護福祉士実務者研修
- 介護職員初任者研修の上位にあたる資格が介護福祉士実務者研修です。
実務者研修を取得すれば、サービス提供責任者として働くことができ、医療的ケアやたん吸引なども行う事が出来ます。
- 〇ケアマネージャー(介護支援専門員)
- ケアマネと略して呼ばれることの多いケアマネージャーは、介護保険制度に基づいた、介護を必要とする方それぞれに介護サービスを利用できるようにする為のケアプランを作成するお仕事です。仕事内容はその他に、介護サービス利用者と施設の間に立って、ご意見を代弁したりすることもあります。
- 〇介護事務
- 介護保険に関する知識に精通し、文章作成、表計算と言ったパソコンスキル、経理業務などの知識を必要とするのが介護事務です。介護事務の資格は民間資格となっており、試験を行う団体によって少しずつ内容は異なりますが、必要とされる知識・スキルはほぼ同じです。
- 〇介護福祉士
- 介護福祉士は国家資格の1つで、取得難易度は高めになっています。この資格を取得する方法としては、養成施設ルート・実務経験ルート・福祉系高校ルート・経済連携協定ルートの4つが存在します。
- 〇レクリエーション介護士
- 施設利用者へ楽しみや生きがいを提供するのがレクリエーション介護士です。高いコミュニケーション能力と、レクリエーションに関する知識や実行スキルが必要とされます。
- 〇介護予防運動指導員
- 利用者に快適なライフスタイルを提供する為に筋力トレーニングや運動を通し、身体ケアを行う為に必要な資格です。
- 〇福祉用具専門相談員
- 福祉用具を必要とする利用者に対し、公的介護保険を使って福祉用具の選び方や使い方についてのアドバイスをする為の資格です。厚生労働大臣の指定した講習会を受講することで取得可能です。
- 〇喀痰吸引等研修
- 「たんの吸引」と「経管栄養」を介護職員等が行えるようになるための資格です。
基本研修と実地研修の両方を修了すると、医師の指示や看護師との連携の基で「たんの吸引」「経管栄養」が行えるようになります。
- 〇理学療法士
- 身体の仕組みについて精通したリハビリの専門家です。理学療法士は国家資格の1つです。
理学療法士は介護福祉士などと同じく、名称独占の資格であり、業務独占ではありません。
理学療法士の試験は毎年2月に行われます。
受験資格を得るためには、文部科学大臣指定の養成校で既定のカリキュラムを修めて卒業した、又は卒業見込みであることが必要です。養成校には3〜4年制の専門学校と、3年制の短期大学、4年制の大学があります。また、作業療法士の資格を持っている人は一部のカリキュラムを免除されます。
- ■まとめ
- 今回は利用者のリハビリのサポートを行う理学療法士と、その他の介護士(介護職)の違いについてお伝えしました。どちらも介護の現場には無くてはならない存在です。