No.243 介護士とヘルパーの違いとは?
介護の現場で働く人々は、様々な役割を担っています。その中でも特に重要な役割を果たすのが「介護士」と「ヘルパー」です。一見すると同じような仕事をしているように見えるかもしれませんが、実際にはその役割や資格、業務内容に大きな違いがあります。今回は、介護士とヘルパーの違いについて詳しく説明していきます。
介護士とは?
介護士は、正式には「介護福祉士」と呼ばれ、日本の介護職において国家資格を持つ専門職です。介護福祉士の資格を取得するためには、専門学校や大学で介護について学び、国家試験に合格する必要があります。介護の専門学校や大学で、介護の基礎から専門的な知識までを学びます。教育機関での学習だけでなく、実際の介護現場での実習を通じて実践的なスキルを身につけます。学習と実習を経た後、国家試験に合格することで介護福祉士の資格を取得します。
介護士の業務内容
介護士の主な業務内容は、身体介護や生活支援、医療的ケアなど多岐にわたります。具体的には以下のような業務を行います。例えば、身体介護です。入浴、排泄、食事の介助など、利用者の日常生活を支援する業務です。また、生活支援もあるでしょう。掃除、洗濯、買い物など、利用者が自立した生活を送れるように支援します。医療行為を伴うケア(例えば、吸引や経管栄養など)を行うこともあります。
ヘルパーとは?
ヘルパーは、正式には「訪問介護員」や「ホームヘルパー」と呼ばれ、介護保険制度に基づく訪問介護サービスを提供する職種です。ヘルパーになるためには、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)を修了する必要があります。この研修は、短期間で取得できるため、介護の入門的な資格として広く認知されています。介護職員初任者研修として130時間程度の研修を受け、介護の基本を学びます。また、実習で研修の一環として、介護現場での実習を行います。研修の最後に修了試験を受け、合格することで資格を取得します。
ヘルパーの業務内容
ヘルパーの主な業務内容は、訪問介護として利用者の自宅で行われるケアです。具体的には以下のような業務を行います。身体介護として入浴、排泄、食事の介助など、介護士と同様の身体介護を提供します。また、生活援助として掃除、洗濯、調理、買い物など、日常生活の援助を行います。そして、移動支援として外出の際の付き添いや、病院への通院のサポートなどを行います。ヘルパーは、訪問介護の専門家として、利用者が住み慣れた自宅で安心して生活できるよう支援します。介護士と比較すると、医療的ケアや相談業務などの専門的な業務は少ないものの、利用者の日常生活に密着した支援を提供します。
介護士とヘルパーの違い
介護士は国家資格であり、取得までに専門的な教育と国家試験が必要です。一方、ヘルパーは介護職員初任者研修という比較的短期間の研修を修了することで資格を得ることができます。
また、介護士は、身体介護や生活支援に加えて、医療的ケアや相談業務も担当します。また、介護計画の立案や他の医療・福祉専門職との連携も重要な業務の一部です。ヘルパーは主に訪問介護を通じて、利用者の自宅での日常生活をサポートすることが中心となります。
そして、介護士は高度な専門知識とスキルを持ち、総合的な介護サービスを提供します。これに対して、ヘルパーは日常生活の支援を専門とし、利用者の自宅での生活をサポートすることに特化しています。