No.149 介護士の労働環境問題 ~改善への取り組みとは~
介護士の労働環境問題は様々なところで危惧されており、今後も深刻な問題・課題として残ってゆくことでしょう。今回は自身の適性や、将来性を考えて「どのような取り組みが出来るのか」「どのような施設で働けばよいのか」をご紹介します。
深刻化する少子超高齢化社会
現在少子高齢化の社会問題は、深刻化しています。女性のライフスタイルやライフワークも変わり、出生数も減少しています。それによって介護サービスの需要が増加している現状ですが、介護への担い手が減少しているのも要因の1つとして挙げられます。
- ◎介護職の年収は年々増加傾向
- 介護職の年収は低いという問題がありますが、現在は年々増加している傾向にあります。福祉介護職員の年収を例に見てみましょう。
- 2007年→2,995,100円
- 2017年→3,296,500円
- 2020年→3,450,400円
厚生労働省の調べでは、役職者を除く全産業平均賃金(水準)は年収440万円となっています。年収は増加しているものの、他の産業と比較すると低いという問題も抱えています。
- ◎人材不足の課題
- 介護職員は年々増えています。ですが高齢者の人口割合が増え続ける現状では、介護人材への需要のほうが上回り、未だ人手不足解消には至っていません。加えて、介護の担い手が独り立ちするにはある程度の年月を要しますが、職業スキルが身に付かないうちに離職してしまうという例も多く見られます。
- 厚生労働省の試算では、2025年度末で243万人の人材を確保する必要があると言われています。2019年時点で国内の介護職員総数は210.6万人となっており、そこから6年ほどで32万人の人材を確保することが課題です。
- その達成に寄与する方策の一つとして、介護現場の労働環境改善が考えられるでしょう。これに関連して、個人的に改善を見出せる取り組みとしては、「職場の人との密なコミュニケーション」や「スキルアップの資格勉強」などが挙げられます。
労働環境の改善への取り組み
人材不足から、労働環境が悪いというイメージを払拭するため介護現場は、労働環境の改善に全力を尽くしており様々な取り組みが行われています。
- IT機器の導入(見守り支援ロボット・タブレット端末の導入など)
- 採用手法の変更(派遣サービスの利用など)
- 広報PRの改善と求人の正確な情報掲載
- 資格取得への支援(潜在・育成支援)
- 外国人人材の受け入れ
以上の取り組みを事業所が行うことで、人材不足の課題や介護要員1人ひとりの負担を大きく減らす効果が現れます。
働きやすい環境を見つけよう!
自身が「働きたい」「働きやすい現場とはどのような場所なのか」という事を、もう一度整理してみましょう。
- 休みが取りやすい職場
- 介護要員の負担が少ない現場
- キャリアアップのための支援が職場に用意されている など
それぞれ目指す職場は違います。休みが取りやすい職場ならば人材が豊富な職場、介護要員の負担が少ない現場であればIT機器を導入している職場が、それぞれ適していると言えます。キャリアアップの為の支援が必要なら、面接時に「資格取得をする場合は職場としてどんな支援があるのか?」という質問をしてみましょう。
- ■まとめ
- 介護職員は今後も需要が増え続け、貴重な人材として活躍する職業のひとつです。あなたらしい介護ができる職場を見つけることが、将来の超高齢化社会を支える希望となります。
- 介護士として力を発揮できる転職先をお探しの際には、ケアジョブがお手伝いさせていただきます。お気軽にご相談ください。